ねこふんじゃった大全集

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ねこふんじゃった大全集
「オリジナル」から「パリのねこ」「オートバイに乗るねこ」まで
ピアノ・ソロ/連弾

編曲 いとう たつこ


菊倍判/64頁

定価1,200円+税

ISBN 4-88364-159-7


ようこそ、「ねこふんじゃった」の世界へ

 

いとうたつこ音楽デザイン(石田巍(たかし)+いとうたつこ)

 

「ねこふんじゃった」はだれでも知っている曲、そして多分みなさんがはじめてピアノの前に座ったとき、最初に弾く曲です。

 でもこの曲にはいくつかのなぞがあります。

 まず、みなさん。「ねこふんじゃた」は日本の曲だと思っていませんか。ところがこの曲、どこの国のだれが作曲したか、確かではないのです。

 一節によりますと、ロシアのアントン・ルビンシュタインが作曲した曲だろうと言われています。ルビンシュタインの楽譜が残っていませんので、正確なことはわかりません。彼がリストと並ぶほどのピアノの名手であること、この曲がピアノ曲として技術的にとてもよくできていること、そして、彼が演奏旅行に出かけた国でこの曲が残っていること、そのうえ、彼がピアノの教育にとても熱心だったことなどからそう考えられているのです。しかし、現在では、ほかにもいろいろな説があがっています。

 それでは、なぞの2つめ。「ねこふんじゃった」のメロディは世界のいろいろな国で定着しています。でも、なぜかその名前が国によって違うのです。

 たとえばいくつかの例をあげると、こんなふうになります。

 

 ●犬のワルツ(ソビエト)

 ●犬のポルカ(チリ)

 ●蚤(のみ)のワルツ(ドイツ、ベルギー、オーストリア)

 ●アヒルの子どもたち(キューバ)

 ●ロバのマーチ(ハンガリー)

 ●お猿さん(メキシコ)

 ●豚のワルツ(スウェーデン)

 ●カツレツワルツ(フランス、スイス)

 ●サーカスソング(アメリカ、イギリス、カナダ)

 ●黒のメロディ(ユーゴスラビア)

 ●公爵夫人(デンマーク)

 

 ※出典・桶谷弘美氏(大阪樟蔭女子大学助教授)「聞き取り調査による〈各国の猫踏んじゃった曲名の違い〉」より。

 ねこ以外に犬とかあひるがあって、そのうえ、食べ物なんかもあります。北アメリカ大陸ではサーカスに使うようですね。「道化師のポルカ」なんていう名前もついている場合があるようです。 いろいろな名前があって、その国それぞれに歌詞なんかもついているのでしょうか。どんな歌詞がついているのか知りたくなりますね。  さて、なぞの3つめです。日本の「ねこふんじゃった」に歌詞がついているのはごぞんじですよね、でも歌詞の全部を知っている人は少ないと思います。みなさんが知っている歌詞はだれが書いたのでしょうか。実はこれは作者がわかっています。現在流布している詩は2つあります。

 

1 丘灯至夫(おかとしお)作詞「ねこふんじゃった」

 ねこふんじゃった ねこふんじゃった

 ほら ひるねのこねこ

 ねこふんじゃった ねこふんじゃった

 ねこ あわててとんでった

   はやくきてよ ほらごらん

   きんぎょばちを けとばした

   あらまあまあ 水だらけ

   おやまあま どうしましょう

 ねこどこいった ねこどこいった

 ねこ あちらへにげてった

 あらとり小屋だ あらとり小屋だ

 ほら ギャアギャアないてるよ

 ほらないてるよ ほらないてるよ

 ほら にわとりとびだした

 ねこおっかけた さあ大変だ

 あら どっかへ行っちゃった

   おじいちゃん おばあちゃん 来てごらん

   うえきばちが めちゃめちゃよ

   あらきんぎょも のびてるよ

   おやまあまあ どうしましょ

 ねこどこいった ねこどこいった

 あら たんすのうえよ

 ほらねむってる ほらねむってる

 ほら お日さまわらってる

 

(丘灯至夫詞『日本童謡唱歌全集』足羽章編/ドレミ楽譜出版社より)

 この詩は1954年、コロムビアレコードのディレクターだった足羽章さんが、この曲にタイトルをつけ、ねこが暴れて騒動を起こす内容の詞を丘灯至夫氏に依頼しました。出来上がった作品は伴久美子さんが歌って、レコードになりました。

 もうひとつ、一般的に流布している歌詞があります。これはその詩です。

2 阪田寛夫(さかたひろお)作詞「ねこふんじゃった」

 ねこふんじゃった ねこふんじゃった

 ねこふんづけちゃったら ひっかいた

 ねこひっかいた ねこひっかいた

 ねこびっくりして ひっかいた

   悪いねこめ つめを切れ

   屋根をおりて ひげをそれ

   ねこニャーゴ ニャート ねこかぶり

   ねこなで声で あまえてる

 ねこごめんなさい ねこごめんなさい

 ねこおどかしちゃって ごめんなさい

 ねこよっといで ねこよっといで

 ねこかつぶしやるから よっといで

 

 ねこふんじゃった ねこふんじゃった

 ねこふんづけちゃったら とんでった

 ねことんじゃった ねことんじゃった

 ねこお空へ とんじゃった

   青い空に かささして

   ふわり ふわり 雲の上

   ごろニャーゴ ニャーゴ ないている

   ごろニャーゴ みんな 遠めがね

 ねことんじゃった ねことんじゃった 

 ねこすっとんじゃって もう見えない

 ねこグッバイバイ ねこグッバイバイ

 ねこあしたの朝 おりといで

 

 この他にもいくつか詞はあるようです。いまはインターネットがありますから、ご自分で探してみてはいかがでしょう。余談ですが、インターネットをみていくと「ねこふんじゃった」にはたくさんのファンがいることがわかります。こんなことも楽しんでいただければと思います。

 こうしてみると、普段なにげなく弾いている「ねこふんじゃった」もなかなか奥の深いものがあります。

 さて、この国籍不明で、世界の様々な国で愛されている「ねこふんじゃった」に、いろいろな国の衣装を着せたのがこの作品です。どうぞ作曲家になったり、その国に行ったつもりになって、楽しみながら弾いてください。

 さあそれでは、いとうたつこの「猫の世界」にご案内しましょう。

●オリジナル ねこふんじゃった

 みなさんは普通どのようなテンポで弾きますか。♪=140くらいでしょうか。では1オクターブ音を上げて、ちょっと早く軽やかに弾いてみましょう。「お姉さんねこ」の感じになりませんか? それでは、もう1オクターブ上げてかわいらしく弾くと「子どものねこ」です。小さなかわいい子ねこと遊んでいるイメージで弾いてみましょう。 今度は1オクターブ下げて、ペダルを使って、少しゆっくりと堂々と弾いてみましょう。そうです、「お父さんねこ」の出来上がりです。同じ曲を、テンポを変えたり、音域を変えたり、ピアノのタッチを変えて弾くと違う曲になります。ゆっくりと優しく弾くと子守唄にもなりますよ。 では、「おばあちゃんねこ」「お兄ちゃんねこ」「あかちゃんねこ」はどうすればよいでしょうか。やってみましょう。曲に人格を与えるときn大切なことは、その人の気持ちになって弾くことです。いろいろな人になったつもりで弾いてみましょう。

 

つづきは本楽譜をご覧下さい。

収録曲

オリジナル ねこふんじゃった
はじめてピアノを弾く人のために ハ長調のねこふんじゃった
ペルシャねこふんじゃった
黒ねこふんじゃった
オートバイに乗るねこ
第九を弾くねこ
ニューオーリンズのねこ
イタリアのねこ
パリのねこ
朝鮮半島に住むねこ
五つ木のねこ
ジプシーダンスを踊るねこ
インドのねこ
アンダルシアのねこ
沖縄のねこ
ヴォルフガング・アマデウス・ねこ
室内楽を楽しむねこ
連弾 ニューオーリンズのねこ
連弾 沖縄のねこ
連弾 オートバイに乗るねこ



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