HARU 改訂版

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表紙

女声合唱とヴォーカル・ソロのための小組曲
HARU 改訂版
 

下司 愉宇起 作詞  
保坂 修平 作曲


■A4判/62ページ
■定価:本体1,200円+税 
■ISBN 978-4-88364-329-5


作詞者のことば


 2011年3月11日、世界を震撼させた未曾有の大地震発生。
 その後東北地方を襲った津波は『TSUNAMI』として世界共通語となり、その凄まじさを世界に知らしめました。そして今なお原発問題は世界の問題として課題は山積みです。

 しかし、そんな世界の危機・混乱の中でも、いつも春は確実にやってきました。春は、涙と途方にくれた人々に生きる勇気と復興への活力を与えてくれました。私自身、この年ほどの春の訪れを喜び、感謝した年はないでしょう。
 春の到来を讃えた歌は世界中にありますが、私もその喜びをいつしか詞にしたためたいという想いから、4年前から温めてきた構想を“組詞”として書き上げました。まだまだ“作詞”と名乗るには未熟すぎるつたない詞ではありますが、この度保坂修平氏の協力を経て、かわいらしい合唱曲として息吹を吹き込んでいただきました。
 この組曲が被災された方々への一筋の希望の光となればという意を込め、そして日本の『春』が、『TSUMAMI』同様、喜びの『HARU』として世界の共通言語にならんことを願い、今ここに〈女声合唱とヴォーカルソロ・ピアノのための小組曲『HARU』〉を刊行いたします。
 出版に際しましてご尽力いただきました(株)ショパン会長・内藤克洋さま、(株)ハンナ代表取締役・井澤彩野さま、その他お世話になりました諸方にこの場を借りて心から御礼申し上げます。
   
                                            2011年10月 下司愉宇起


作曲者のことば


 作曲に当たり、歌詞のテーマから「はかなさ」と「憧れ」と解釈しました。有限の存在である人間のはかなさ、そして未だ見ぬ未来への憧れ、出会いへの憧れ、このような世界観を表現するため、様々な音楽ジャンルの要素を取り入れ作曲しました。ですから演奏に際しても指揮者、ピアニスト、合唱団の皆様の音楽の引き出しを存分に開いて、自由に音楽を作っていただきたいと思います。そのため、発想記号などの表記は必要最小限に留めました。

                                              2011年10月 保坂修平

収録曲

    I.  はるいちばん

   II. 一心行(いっしんぎょう)
  
   III. 舞ーMAI

   IV. 未知という名の花


解説

  I.  はるいちばん

  春到来の喜びを擬人化しました。青春時代の恋・憧れを思い出しながら歌ってください。

  II. 一心行(いっしんぎょう)

   一心行とは、作詞者の出身地である熊本県、名水で有名な阿蘇の旧白水村にある樹齢400年の大桜の名前です。大正8年(1580年)に島津氏との戦いで、 矢崎城(宇土郡三角町)で戦火に散った峯伯耆守惟冬(みねほうきのかみこれふゆ)の菩提樹とされています。妻と息子は故郷のこの地に帰り御霊を弔うために一心に行をおさめたということで「一心行」の名が付いたとされています。
 作詞に当たっては、志半ばで被災し、亡くなった方々の弔いの念も込めました。中盤ヴォーカルソロが入りますが、声楽家はもちろんのこと、ミュージカルスター、フォークシンガーなど様々なジャンルの方に歌っていただきたいものです。

  III. 舞ーMAI

 日本の春の代名詞といえば桜。桜無くしては日本の春は語れません。桜の花びらが舞う様子はなんともいえない雅さ・憂い・儚さを感じます。その幽玄たるや踊り子のごとく美しく舞う花びらは、これまでに実に様々な擬音が当てはめられてきました。『舞-MAI』ではそれらの擬音を集結し、合唱曲としました。

  IV. 未知という名の花

 5月を迎えるといよいよ初夏です。復興の為に立ち上がった人々。
 この度の震災では『幾星霜の上に生かされて生きている』という、我々が日々の豊かな生活の中で忘れてしまっていた大切なことを思い出させてもらいました。《“春”からいただいた勇気と希望を胸に、人々が共に手を取り合い、復興の花をさかせよう——》そんな想いを託し終曲と致しました。尚『老いゆけや我と共に〜』からの下りはロバート・ブラウニング作「ラビ・ベン・エズラ」の第1連から引用致しました。

 ☆この組曲を演奏していただけます際は、ぜひとも出版元までご連絡ください。作詞者・作曲者ともの可能な限り拝聴させていただきたく存じます。

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