横山幸雄ピアノQ&A136 から  Q51 レガート奏法

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Q51. レッスンでいつも「レガートで弾きなさい」と言われます。自分では音を切らずにつなげているつもりなのですが・・・。



 「レガートlegato」を楽語辞典で調べてみると、「音と次の音をつなげる」などと杓子定規なことしか書いていない。実際には音と音がつながっていても、滑らかに聴こえないことが往々にしてある。この滑らかにというのが非常にキーポイントになる部分で、それはつまり「音がつながっている」のと同時に、「音色がつながっている」ということでもある。またそのフレーズの本来持っているニュアンスが適切に表現されなければ、滑らかには感じない。そして、つなげるということばかりに集中していると、手に余分な力が入ったり、次に音が残りすぎてレガートというより単に重く濁ってしか感じられないこともあるかもしれない。

 例えば日本語をよく知らない外国人が日本語をローマ字表記で読んだとしても、非常にギクシャクした感じを受けるだろうが、それは日本語の持っている自然の抑揚がないからだ。それと同様に音楽にも、楽譜にクレッシェンドやディミヌエンドと書かれていなくても、その音楽の持っている自然の抑揚やその作曲家自身の持っている自然のニュアンス、スタイルというものがある。それが表現されて初めてきれいに聴こえるわけであり、それがレガートについても言えるのだ。



「横山幸雄ピアノQ&A136 上 part 4 テクニック」

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