横山幸雄ピアノQ&A136 から  Q48 きれいなフォルテの出し方

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Q48. フォルテの音が汚いとよく注意されます。きれいなフォルテはどのようにすれば出るのでしょうか。



 これにはいろいろな側面が考えられるが、わかりやすいところから考えてみたい 。まず「フォルテの音が汚い」という印象を受ける音をよく聴いてみると、ミスタッチして他の音が混ざってしまっているケースがよくある。また、ペダルの踏みかえをしていないことによって、音が濁っている場合も多い。

 一方、フォルテで和音を弾く場合がよくあるが、和音の各音のバランスが悪いために「汚い」という印象を残してしまうケースもよく見受けられる。一番上の声部にメロディとして、また音の輪郭として大事な声部がくることが多いわけだが、それらをたいてい担当する小指は適切な訓練をされていないと、あまり思うように言うことをきいてくれない。

 さらに、和音というのは音楽の中の縦の線だが、横の流れの中でニュアンスがデコボコしていたり一本調子だったりすることによって、「音楽的に聴こえない=汚く聴こえる」ということも 多くあると思う。

 あとは前にも書いたように、一つひとつの単音の音を出すにしても、「指先ー鍵盤ーハンマーー弦」という一連の力が伝わっていく中で、余分なロスがあるとさらに変な力が入ってしまうことになり、コントロールができなくなって・・・という悪循環に陥ってしまう。

 具体的には、和音をフォルテで弾こうとする場合、一本一本の指が弱いと、どうしても腕の力にまかせてしまうことが多いようだ。それによっていろいろなコントロールができなくなってしまう。

 何が汚い印象を残す要因となっているのか、ここに挙げた要素を一つひとつ確認して探り当てて、適切な技術的な訓練から始めたらいかがであろうか。



「横山幸雄ピアノQ&A136 上 part 4 テクニック」

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