横山幸雄ピアノQ&A136 から  Q31 集中力がとぎれてしまいます

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Q31. 学校から帰って夕方練習していると、今日あったことや悩みごとを考えたりして、集中して取り組めません。



 よくピアニストのエピソードなどに、親や先生に見つからないように漫画を読みつつ練習したなどという話もあるようだが、僕ならば漫画を読みたいときには読んで、練習したいときに練習する。練習というのは、「やりたい」というモチベーションがあって集中しているときに最も効果が上がるのであって、また効果が上がれば短時間でもすむのである。だらだらと長いことやっていれば、自分の指が奏でる下手な音楽に自分もいやになってしまうし、それどころか、場合によってはそれが当たり前のようになって、自分の新鮮な感覚すら麻痺してしまう。効果的どころか、まったく逆効果と言わざるを得ない。このような悪循環がマンネリ化してしまうと、抜け出すにもひと苦労だ。人によって多少の違いはあると思うが、たぶん誰でも集中力はそう長く統くものではないだろう。練習する前に、「どういうふうに弾きたいのか」「今日は何を練習するのか」ということを自分の頭の中でよく整理して、今やるべきことを決めて、それに向かって努力をするというやり方をしてみてはどうだろうか。他のことが気になってしまったり、やはり疲れているときなどもあるわけで、集中できないときにはいろいろな音楽を聴いてみるとか、または全然違ったことで気分転換をするなど、ピアノから離れてみるのは決して悪いことだとは思わない。またどうしても体力的に続かない人はスポーツなどをして、体力を強化することも必要かもしれない。疲れてしまって集中力がなくなるということも考えられるだろう。

 自分が自然に音楽と楽しくつきあえるスタンスを見つけるのも、勉強していく上で自分自身が見つけなければいけないとても大事なポイントだ。




「横山幸雄ピアノQ&A136 上 part 3 ピアノ練習法」

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