リヨン国際ピアノコンクール

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※2018年時

都市

フランス/リヨン

日程

2018年7月2日~6日

審査部門

ピアノ 

年齢制限

17歳~35歳

賞(通貨:ユーロ

1位:15,000

開催周期

毎年

次回開催

2019年
2020年


 International Piano Competition of Lyon
GPIPL - 29 rue Jules Massenet, 69320 Feyzin - France
Tel:(+33)0-4-72-09-10-01
Tel:(+33)0-6-33-97-34-70
contact@gpipl.fr
http://www.gpipl.fr/accueil_en.php

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月刊ショパン 2018年9月号 p.75より転載
世界のコンクール便り vol.62  
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)

第10回リヨン国際ピアノコンクール
1位  エリザヴェータ・クリュチェレヴァ(19歳、ロシア)
2位 コンスタンティン・ハチキャン(23歳、ロシア)
3位 チェ・ヨンスン(25歳、韓国)
4位 クリスティーナ・ゼレーニナ(27歳、ロシア)
5位 ベック・ウニ(27歳、韓国)
6位 ブライアン・レ(20歳、アメリカ)
6位 カルリス・グナルス・ ティルシティス(22歳、ラトビア)

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写真は、今回の優勝賞金のスポンサーであるジャン=ジャック・カラゲジアン氏と、彼の話に熱心に耳を傾ける芸術監督のスヴェトラーナ・エガニアン氏

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フランスの第二の都市リヨンで2009年から始まり、10周年を迎えたこのコンクール。ストライキもあった中、予選を通過した日本人の7名を含む47名(内13名棄権)が第一次予選に臨み、筆者は審査に携わった。 
 これまでに、日本人の崎谷明弘をはじめ、度々来日しているアンナ・フェドロヴァやアレクサンドル・ヤコブレフらも入賞をしている。美しいフルヴィエールのノートルダム大聖堂の際に建つリヨン地方音楽院で行われた予選では、毎日たくさんの聴衆で会場が熱気に満ちあふれていた。
 このコンクールの審査は4段階で行われ、プログラムは基本的に自由。ただし、ソロ・ファイナルではスクリャービンの曲を一曲以上含まなけばならず、協奏曲は12曲の中から一曲を選択。ソロ・ファイナルでは、リヨンを拠点に活躍中のピアニスト島信愛(のぶよし)さんと、ファイナルで弾く協奏曲の一楽章も共演。
写真は、入賞者ら。左から(敬称略):島信愛、ブライアン・レ、カルリス・グナルス・ ティルシティス、ベック・ウニ、クリスティーナ・ゼレーニナ、チェ・ヨンスン、エリザヴェベータ・クリュチェレヴァ、コンスタンティン・ハチキャン

リヨン国際3.png
優勝は、19歳のクリュチェレヴァ。彼女の演奏を初めて聞いたのは5年前のデンマーク。前回は一年前にイスラエルで聴いたのだが、今回は一次予選からその成長ぶりに驚いた。サン=サーンス(リスト/ホロヴィッツ編):《死の舞踏》、チャイコフスキー/フェインベルグ編:《交響曲第6番》のスケルツォ等の演奏もみごとであったが、ファイナルのショパン:《ピアノ協奏曲第一番》も各フレーズを音楽的に歌い上げ、満場一致で優勝。
 他にも、第一次予選から素晴らしい演奏が続々。全ては挙げられないが、息を呑むようなレのショパン:《バラード第4番》、チェのドビュッシー:《映像第一集》等。何とも美しい音、雰囲気でスカルラッティを奏でたジャン・セリム・アブデルモウラが一次予選落ち、とりわけフランス人の作品が得意と思われる鈴木隆太郎がソロ・ファイナルへ進めなかったのには心が痛んだ。 
 各審査員好みや評価基準、参加者の各ラウンドでの演奏もさまざま。コンクールでは一般的に投票数や平均点のみで結果が出るので、改めてコンクールには〝運〞も必要だと痛感した。
写真は、モリエールホールで、“ラ・プリマヴェーラ”カザン室内オーケストラ(指揮:ルステム・アブヤゾフ)とショパン:《ピアノ協奏曲第一番》を共演する、エリザヴェータ・クリュチェレヴァ。彼女は併せて聴衆賞も受賞
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