マルタ国際音楽フェスティバル・ピアノコンクール2017

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※2017年時

都市

マルタ共和国/ヴァレッタ

日程

2017年4月20日~28日

審査部門

ピアノ

年齢制限

カテゴリーA:10歳以下(2007年4月20日以降に生まれた者)
カテゴリーB:10歳~13歳(2003年4月20日以降に生まれた者)
カテゴリーC:14歳~17歳(1999年4月20日以降に生まれた者)
カテゴリーD:18歳~35歳(1981年4月20日以降に生まれた者)

賞(通貨:ユーロ

カテゴリーA: 1位:1,000 2位:750 3位:400 
カテゴリーB: 1位:2,000 2位:1,500 3位:750 
カテゴリーC: 1位:4,000 2位:3,000 3位:1,500
カテゴリーD:    1位:20,000 2位:15,000 3位:10,000 4位~7位:1,000
マルタの現代作曲家による最優秀解釈賞:2,000

開催周期

毎年

次回開催

2020年


 Еuropean Foundation for Support of Culture
6, Westin Dragonara Resort, Dragonara Road, St Julians, STJ 3143br Republic of Malta.
Tel:(+356)2787-7705
 info@eufsc.eu
www.eufsc.eu

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月刊ショパン 2017年7月号 p.129より転載
世界のコンクール便り vol.48 
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)

マルタ国際音楽フェスティバル・ピアノコンクール2017
一般部門:カテゴリーD(年齢制限:18歳~35歳)
1位 リ・ジンヒョン(26歳、韓国)
2位 ルベン・コージン(20歳、ロシア)
3位 ジベック・コザフメトワ(29歳、カザフスタン)
4位 ダニロ・サエンコ(26歳、ウクライナ)
5位 サムソン・ツォイ(28歳、カザフスタン/ロシア)
6位 栗田奈々子(27歳、日本)
7位 マクシム・ゾノフ(30歳、ロシア)

マルタ国際1.png写真は、カテゴリーCで優勝したヤン・ワルチャックは、コンクール終了後ポーランドに帰国。入賞の報告を聞いて半日かけてマルタへ戻り、入賞者演奏会でショパンの《スケルツォ2番》を演奏

マルタ国際2.png 
 地中海に浮かぶマルタ共和国。ヨーロッパのリゾート地として有名なこの国には、7千年もの歴史があると言われている。19世紀から英国の統治下だった時期もあり、公用語は英語で車も左側通行。
 3年前から街全体が世界遺産である首都ヴァレッタで音楽フェスティバルが開催され、コンサート、マスタークラス、コンクールが行われている。約2週間半の今年のフェスティバルのマスタークラスには、世界の有名教授らを迎え、コンサートにはピアノ界の巨匠の一人、現在の日本では幻のピアニストとも呼ばれるグリゴリー・ソコロフ氏も出演。
 コンクールは、年齢別で4カテゴリーに分けられ、ヤングカテゴリー(A〜C)は1ラウンド、一般のカテゴリーDは2ラウンド(ソロのみ)で審査。近年は選曲は自由というコンクールが増えてきている傾向にあるが、ここではバッハの平均律、エチュード、古典のソナタ等をはじめ、カテゴリーDの1次予選では、マルタ人作曲家の作品が必須課題。審査員の顔ぶれも以前と一変し、カテゴリーDの審査員は、オレグ・マイセンベルグ氏、小川典子さんをはじめとする計7名。賞金もぐっと上がり、カテゴリーDの優勝は2万ユーロ。
写真は、カテゴリーDの入賞者ら(右から、敬称略):リ・ジンヒョン(1位)、ルベン・コージン(2位)、ジベック・コザフメトワ(3位)、ダニロ・サエンコ(4位)、サムソン・ツォイ(5位)、栗田奈々子(6位)、審査委員長のアレクサンダー・ミューレンバッハ、芸術監督のアラン・チールコップ

マルタ国際3.png
 最終的に48名が臨んだカテゴリーDの優勝は、ファイナルでシューマンの《トッカータ》や、ラヴェルの《スカルボ》等の難曲をみごとに聴かせた、リ・ジンヒョンが優勝。2位は勢いあるシューマンの《交響的練習曲》等を披露したルベン・コージン。3位はピアノで歌え、音楽がまるで身体から湧き出てくるようなジベック・コザフメトワ。血が騒ぐようなシューマンの《クライスレリアーナ》を演奏したサムソン・ツォイは5位。現在ドイツで研鑽中の栗田奈々子さんは、ベートーヴェンの《熱情ソナタ》、ショパンの《バラード3番》、ドビュッシーの《ミンストレル》の各曲を豊かに表現し、6位を受賞。
 カテゴリーCの優勝者、17歳のポーランドのヤン・ワルチャックをはじめとする、他の入賞者たちの将来も楽しみだ。
写真は、1966年、16歳の時にチャイコフスキーコンクールで優勝。現在、日本では幻のピアニストとも呼ばれるグリゴリー・ソコロフ氏
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