ベートーヴェン国際ピアノコンクール

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※2017年時

都市

オーストリア/ウィーン

日程

2017年5月28日~6月8日

審査部門

ピアノ 

年齢制限

1985年1月1日~1997年12月31日の間に生まれた者

賞(通貨:ユーロ

1位:10,000 2位:7,500 3位:5,000 4~6位:2.000

開催周期

2017年まで4年ごと

次回開催

2020年



 International Beethoven Piano Competition Vienna
   mdw – University of Music and Performing Arts Vienna
Anton-von-Webern-Platz 1  1030 Vienna – Austria
www.beethoven-comp.at

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月刊ショパン 2017年8月号 p.68より転載
世界のコンクール便り vol.49  
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)

第15回ベートーヴェン国際ピアノコンクール
1位 ロドルフォ・レオーネ(25歳、イタリア)
2位 サフン・ホン(22歳、アメリカ)
3位 コウ・ボライ(20歳、中国)
4位 スー・ハンス(27歳、韓国)
5位 アレクサンダー・バーンスタイン(28歳、アメリカ)
6位 チョン・キュビン(19歳、韓国)

ベートーヴェン国際1.png
写真は、芸術監督兼審査委員長(投票権無し)のヤン・イラーチェク・フォン・アルニム氏、江口文子氏をはじめとする審査員、入賞者、スポンサーの方々

ベートーヴェン国際②.png
 18世紀から作曲家が活躍し〝音楽の都〞と呼ばれているオーストリアのウィーン。ここで最初に行われた国際ピアノコンクールは、1900年の第3回アントン・ルービンシュタインコンクール(毎回場所を移動)。当時の入賞者はアレクサンドル・ゴリデンヴェイゼルやニコライ・メトネルらが名を連ね、たいへん興味深い。そして現在のオーストリアで一番歴史があるのは、これまでに内田光子、ジョン・オコーナー、シュテファン・ヴラダーといった優勝者を輩出し、1961年に創設されたこのベートーヴェン国際ピアノコンクール。〝ベートーヴェン〞と名乗るコンクールは世界各地に存在するが、ここの課題曲はオール・ベートーヴェン、楽器はウィーンが誇るベーゼンドルファーが使用され、「さすがウィーン!」と感じさせられる。
 259名が応募し、予備予選を通過した日本人5名を含む34名(内3名棄権)が、今回のコンクールに臨んだ。このコンクールは3ラウンドで、2次へは12名、ファイナルへは3名と厳しく、2次に日本人が一人も通過できなかったのは残念だった。
 ウィーン楽友協会の大ホールで行われたファイナルには、偶然にもアメリカで勉強中の3名が進出。特筆すべきは、レベルが非常に高かったこと。各自2曲の協奏曲(A:1番〜3番のうち1曲、B:4番または5番)を用意し、審査員がその一方を指定。最近はこのようなコンクールがだんだんと増えてきている。
写真は、演奏後のロドルフォ・レオーネとウィーン放送交響楽団。ウィーン・フィルの本拠地でもあり、ニューイヤー・コンサートでもおなじみのウィーン楽友協会の大ホール(黄金のホール)は、音響はもちろん、装飾も素晴らしい

ベートーヴェン国際3.png
 
 第5番《皇帝》を指定されたロドルフォ・レオーネ(イタリア)は、輝かしいオープニングから審査員を含む聴衆を魅了して優勝。第3番を大変繊細に演奏したサフン・ホン(アメリカ)は2位。彼の演奏には趣があり、第2楽章の出だしのppには引き込まれそうに
なった。第4番を演奏したボライ・コウ(中国)は3位。自分の音をよく聴き、美しい音、リズム感が秀逸であった。
 通常は4年ごとに開催されているこのコンクールだが、次回はベートーヴェンの生誕250周年を記念し、2020年に予定されている。
写真は、ウィーン放送交響楽団(指揮:アレホ・ペレス)とベートーヴェン《ピアノ協奏曲第3番》を熱演するサフン・ホン
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