
ニコロ・アマティの死後
ここで、最も有名な助手であったストラディヴァリのことを考えてみよう。
ジョージ・ハートは、19世紀のイギリスのヴァイオリン取引きの優れた専門家であり、「知的な鑑定家によって、完全にストラディヴァリの作品と認められたアマティの楽器」について言及しているが、ヒル商会はこの件に関しては納得していない。つまり、「もしそのような楽器が存在していたとするならば、どこにあるのか。誰もそのような楽器と出会った者はいないと聞く。」と。
二コロ・アマティがこの世を去った後、彼の残した冶具、つまりヴァイオリンの外型並びに内型および道具などは、息子のジロラモニ世ではなく、ストラディヴァリのものとなったとハートは書いている。しかしこの件に関してもヒル商会と他の専門家は懐疑的である。ただヒル商会は次のようにいっている。「後の二コロ・アマティの仕様が、二コロの息子1人か、息子とストラディヴァリによって作られたことだけは確かなことである」と。
楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止
▶︎▶︎▶︎2章 18 ニコロ・アマティとその弟子たち
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