
マスコットを手に入れる
真偽のほどは解らないが、デル・ジェスは、1709年頃、巨大なスプルースの丸太を手に入れたと云われている。それは、木目はやや荒いが、驚異的な音響効果を持つ表板の材料で、彼の黄金時代の楽器はすべてこの素材で作られた。この丸太は、彼の守護神となり、野望を達成させる原動力となった。その証拠として、この時代に作られたヴァイオリンの表板の指板の両サイドの部分に、この材料が持つミラクルな模様、つまり、汚れと特殊な樹液の通るマークがわずかながら見られるそうである。
楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止
▶︎▶︎▶︎2章 49 理想の楽器の出現
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