楽器の事典ヴァイオリン 2章 オールド・ヴァイオリンの名器 13 ニコロ・アマティのヴァイオリン

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[画像]ニコロ・アマティ クレモナ・17世紀 プラハ国立博物館 

ニコロ・アマティのヴァイオリン

 彼の楽器の最も素晴らしい点は、その外観に静謐な美があることで、アマティ家で作り出された諸楽器の中で最も偉大なヴァイオリンといわれている。
 二コロ・アマティのヴァイオリンは、そのボディの盛り上りがやや高いが、表板や裏板のカーブは極めて優美で、そのエッジの部分の仕上げも驚くほど芸術的である。この楽器と比べた場合、ストラディヴァリでさえも、それ以上に正確なf字孔や優雅なスクロールを作り出すことはできなかった。その材料には洗練された美しさがあり、表板のスプルースの木目はまっすぐで細かいものであった。裏板は注意深く選ばれた楓材で、美しくうねる波模様、つまり虎斑が現れていた。さらに、ニスは輝やくように美しく、黄味を帯びた金色か赤味を帯びた金色で、柔らかくて半透明である。


楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止



▶︎▶︎▶︎2章 14 その音色 
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