楽器の事典ヴァイオリン 2章 オールド・ヴァイオリンの名器 7 音色の嗜好の移り変り

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音色の嗜好の移り変り

 ヤコブ・スタイナーは、チロル出身で、イタリアのメーカーではなかったが、彼の作品はアマティのヴァイオリンと共に、1790年までは最高の値段を維持した。その当時、ジョヴァンニ・バティスタ・ヴィオッティという最も優れた演奏の大家が現れて、アマティをストラディヴァリの楽器に持ち換えた。その理由は、ストラディヴァリウスの方がより豊かで力強い演奏効果があることがわかったからである。(アマティのヴァイオリンにはG線の音が弱いものがある。)
 やがて、多くの奏者がストラディヴァリのヴァイオリンの優秀さを認め始めた。さらにパガニーニの例で知られている通り、独奏者たちが大きなホールで、さらに大編成のオーケストラとの競演に耐える反響のいい楽器を必要とした時、彼等は長い間無視されてきたガルネリーデル・ジェスの素晴らしさも認め始めたのである。


楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止



▶︎▶︎▶︎2章 8 アンドレア・アマティの息子
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