楽器の事典ヴァイオリン 2章 オールド・ヴァイオリンの名器 5 ヴァイオリンの素材

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[画像]アンドレア・アマティ 1564年

ヴァイオリンの素材

 アンドレア・アマテイは、やがて裕福な男になり、最上の素材を求めて各地に旅をした。彼は、しばしばヴェニスに行き、ニスの原料、つまり松脂や琥珀や染料を買った。理想的な木材を買うためには細心の注意を払い、イタリアで見つけることのできる極上の楓材を、裏板やリブやネックを作るために、求め続けた。当時、他のヴァイオリンの製作者たちは、ヴェニスの人びとがダルマシアから輸入した楓材を使ったが、彼は常にイタリア産の楓を使い、さらに良質の松を選んで表板、魂柱およびバスーバーを作った。
 言い伝えによると、彼は南チロル地方の森をさまよい歩いて、「反響する」松をさがし、これは、と思う木を見つけると、小さな木づちで幹をたたいて、澄んだきれいな音を出すかどうかを聴き分けたという。


楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止



▶︎▶︎▶︎2章 6 その音色
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