楽器の事典ヴァイオリン 2章 オールド・ヴァイオリンの名器 2 シャルル9世の楽器

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[画像]ニコロ・アマティ 1658年

シャルル9世の楽器

 アンドレア・アマティの傑作といわれている楽器には、次のものがある。すなわち24個のヴァイオリンと6個のヴィオラ及び8個のチェロである。これらは、1560年頃に、フランスの王であったシャルル9世の宮廷のために作られ、ベルサイユのロイヤル・チャペルに久しく保存されていた。しかし、それらの中で、わずかに残っている四個のヴァイオリンのうちの1個だけが、ヘンリー・ホッティンガー・コレクションの本に写真として残されている。
 この珍らしい本は、1967年にウーリッツァーが出版したもので、そのヴァイオリンには、裏板に君主の鎧が圓かれてあり、彼のモットーであった「慈愛と正義とをもって我武装せずに立ち向かわん」という文字が、金文字で側板に書かれている。なお、それらの楽器の中には、貴重な宝石をちりばめたものさえあった。しかし、フランス革命によって、これらの諸楽器はベルサイユ宮殿から忽然と消え失せた。その後、そのうちの何個かは、不思議なことに、イギリスに現れた。


楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止


▶︎▶︎▶︎2章 3 アマティ家のヴァイオリン
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