
当時の手工品のメーカー
その当時の、伝統的な技術を受け継いだ、手工品のヴァイオリンのカーたちは、自らの作品を自分自身で売りさばかなければならなかったので、その生活は極めて苦しかった。最高な楽器を作る製作者ですら苦難の途をたどっていたのである。
成功したメーカーたちは、大規模な販売組織に頼ったものかあるいは他の収入の途のあるものだけであった。
そのため、ヨーロッパ諸国の独立したヴァイオリン製作者たちは、競争相手の少ない新天地、つまりアメリカその他の国々へ移住し始めた。
この時代に最も注目すべき点は、イタリア製の多くのヴァイオリンがアマチュアによって作り出されたことである。その反面、伝統的なプロのメーカーも優れた楽器を作り続けてはいたが、その数はあまり多くはなかった。
楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止
▶︎▶︎▶︎第1章 41 マス・プロの楽器
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