楽器の事典ヴァイオリン 第1章 ヴァイオリンの誕生とその時代による変遷 28 時代による各国のヴァイオリンの形式の変化

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時代による各国のヴァイオリンの形式の変化

 結論として、18世紀の末期から19世紀の初頭にかけてのヨーロッパのヴァイオリンの製作は、主として、イタリア、ドイツ、フランスおよびイギリスの各国であり、その種類は、年代的に見て、次の通りであった。
 ① 1775牟トトバロックーヴァイオリンだけ作られていて、その殆どはアマティ・スタイナー型であった。
 ② 1800年トバロックーヴァイオリン型の楽器が主として作り続けられていた。しかし、パリで初めてモダン・ヴァイオリンが出現した。
 ③ 1825年トトフランスの楽器はすべてモダン・ヴァイオリンとなり、イギリスでは半数がモダン・ヴァイオリンを作り、ドイツとイタリアでは、依然としてバロック・ヴァイオリンだけを作り続けていた。
 
 100本のストラディヴァリウスを集めていたといわれる、古今東西随一のヴァイオリンのコレクターであったコジオ伯爵が残した書翰集によれば、その頃の優れたヴァイオリンのリストと最高の楽器と、さらに時代の変遷による好みの移り変りが解るといわれている。
 彼は、巨大な富を持ち、ヴァイオリンをこよなく愛したアマチュアで、鑑識眼も極めて優れていた。
 彼はその当時、最高の楽器について次の通りの優れたメーカーの順位の記録を残している。
 スタイナー (チロル)
 カスタジェリー (フランス)
 シヤッピー (フランス)
 アマティ (イタリア)
 ストラディヴァリ(イタリア)
 ガルネリ(イタリア)
 ルジェリ(イタリア)


楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止


▶︎▶︎▶︎第1章 29 19世紀の中頃
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