楽器の事典ヴァイオリン 第1章 ヴァイオリンの誕生とその時代による変遷 25 ドイツ

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ドイツ

 19世紀のドイツのヴァイオリンの製作は、各国の影響を受けて、古い型式のスタイナー・モデルからストラディヴァリ型のものに、一部変更されていたが、バロック・ヴァイオリンの域から抜け出したものは全くなかった。
 優れたメーカーとしてはミッテンヴァルトのクロッツ・ファミリーがあり、独得のスタイナー・モデルの楽器を創り出し、ウィーンではフランツ・ガイセンホッフが、スタイナー型の膨みを減らして、ストラディヴァリに似たヴァイオリンを作り出した。彼等の楽器は、その当時ではドイツ語圈の国々の中では最高のものであって、芸術的な関心より、販売の上でずば抜けた人気を保持していた。
 (注)、フランツーガイセンホッフ(1754〜1822)ー オーストリアのヴァイオリンーメーカー。古いオーストリアの楽器の型式を捨て、ストラディヴァリ型の優れたヴァイオリンを作り、パリのルポーと並んで、ストラディヴァリウスの研究者として知られている。
 
 1820年代では、一部の例外は別として、大部分のドイツのヴァイオリンは、値段を考慮したアマチュア向けあるいは輸出向けのもので、いわゆるコマーシヤルーヴァイオリンとよばれる程度のものであった。
 当時は、優れた手工品のメーカーは殆どいなかったといえる。
 ウィーンではガイセンホッフは既に死んでおり、その弟子のシュヴァイツアーが活躍しており、彼がドイツ語圈の諸国のうちで最も優れたメーカーであった。

楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止


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