
クレモナの黄金時代
クレモナは、この時期、数多くの貴重な名器を生み出した、その「黄金時代」であった。ペルゴンツィ、ガダニーニ、ガルネリおよびストラディヴァリなどの偉大な製作者が大活躍した。
彼等は間違いなく、ヨーロッパ全土に広がったスタイナー型式のヴァイオリンの流れを知っており、さきに述べたように、極く一部のメーカーはその影響を受けたが、大部分の製作者は、アマティ時代から受け継いだクレモナおよびブレッシアのイタリア独得の製作法を守ったのである。
このクレモナの黄金時代に作られた多くの胴のフラットな楽器が、次の時代、つまり19世紀および20世紀に認められて驚くほど口価値を生み出したのである。
(注)、クレモナの黄金時代に作り出されたオールド・ヴァイオリンの数は正確には觧っていないが、ある研究書によれば、およそ1万本程度であり、その半数が、戦火その他を逃れて現在まで生き残っているという。
楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止
▶︎▶︎▶︎第1章 18 その衰退
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