楽器の事典ヴァイオリン 第1章 ヴァイオリンの誕生とその時代による変遷 15 そのほかの楽器

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そのほかの楽器

 その反面、イタリア以外のヨーロッパ諸国のヴァイオリン・メーカーたちは、独創性がなく、競って、当時人気のあった胴の膨んだアマティやスタイナー・モデルを作り始めた。
 現在のヴァイオリンの概念から歴史を振り返ってみると、これは明らかに誤ったものであることが解るが、この理由により長い期間、ヴァイオリン製作者たちは胴の膨んだ楽器を作り続けたのである。
 
 1800年まで、あるいはその少し前のヅイオッティがパリで活躍していた頃までには、 ーストラディヴァリウスはスタイナーやアマティの楽器より優れていた。― という記録は一切見当たらない。
 
 一方、黄金期のクレモナの名器のプロトタイプとなったブレッシアの楽器もあとが続かなかった。
 マジーニの死後、衰え始めたのである。
 もっとも、アマティの工房にいたジョヴァンニ・バティスタ・ロジェリが故郷のブレッシアに戻って仕事をしているが、彼の作品は、ブレッシア。スタイルのものではなく、クレモナ式のものであった。


楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止


▶︎▶︎▶︎第1章 16 導入
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