楽器の事典ヴァイオリン 第1章 ヴァイオリンの誕生とその時代による変遷 14 ニコロ・アマティの弟子たちの楽器

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[画像]アントニオ・ストラディヴァリウス 1684 “WEBBS”


二コロ・アマティの弟子たちの楽器

 ところが、アマティの弟子であるストラディヴァリ、ガルネリその他の優れたヴァイオリン・メーカーたちは、彼等の師匠であるアマティのモデルあるいは当時絶大な人気のあったスタイナーのモデル、つまり胴の盛り上った楽器には全然興味を示さず、さきに述べたブレッシア派のフラットなヴァイオリンの設計を基にして研究を進めたのである。
 
 (注)、その他のクレモナの技術を受け継いだイタリアのメーカーには次に列挙するような名工がいた。
  ☆ミラノのグランチーノおよびテストーレー家。
  ☆マットゥーアのカミローカミリおよびトマソ・バレステリェリ。
  ☆ボローニャのジョヴァンニ・トノーニ。
  ☆ヴェニスのサント・セラフィン、マテオ・ゴフリラーおよびドメニコ・モンタニャーナ。
  ☆ローマのダビッド・テヒラーおよびミハエル・プラットナー。
  ☆ナポリのガリアーノー家。
  ☆フローレンスのロレンツォとトマソ・カルカッシー。
  ☆トレビノのピエトロ・アントニオ・デラ・コスタ
  ☆ピアチェンツァのガダニーニ一家。
 (注)、クレモナのヴァイオリン製作の黄金期は、1737年にストラディヴァリがこの世を去り、1744年にガルネリーデルージェスが死に、次いで1747年にカルローペルゴンツィが世を去り、1762年にはヅエニスのピエトローガルネリが死去して、次第に衰退し、最後はエンリコーチェルティで幕を閉じたのである。
 (注)、その頃のクレモナの名工たちは、よほど先見の明があったらしく、胴の大きさや形状は現在の楽器とほとんど変わらず、その胴の長さは、今の楽器の標準である35.5cm程度である。
 逆にいえば、後の世のヴァイオリン製作者がこれを真似たともいえるが、それ故200年以上も経った現在でも、最高の名器としての王座を保っているのである。


楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止


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