楽器の事典ヴァイオリン 第1章 ヴァイオリンの誕生とその時代による変遷 9 ヴァイオリンの普及

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[画像]クレモナ


ヴァイオリンの普及

 1625年以降から17世紀末期に至る間の年代は、ヴァイオリン製作の歴史の上で特に重要視される時期いである。 
 その理由は、ヴァイオリンについての関心がすべてのヨーロッパ諸国に広がり、この楽器についての販売市場ができ上がったからである。 
 いうまでもなく、イタリアのクレモナの優れた楽器が主導権を握っていたが、その他の国々でも、中世以来のリュートあるいはヴィオールのメーカーたちが続々とヴァイオリンの製作に転向したからである。
 17世紀の半ばまでは、イタリアのヴァイオリンが市場を独占していたが、その後、次に述べるように、各国で優れた楽器が作られ始め、クレモナの楽器に対抗し始めた。
 
 ☆オランダのアムステルダムではブーマイスターおよびヤコブス。
 ☆ババリアのアウスブルグではエドリンガース。

 ☆オーストリアのチロルではマチアス・アルバーニ。
 ☆ベルギーのゲントではベンドリッタ・ウィレムス。
 ☆ㇵンブルグではティールケ。
 ☆ミッテンヴァルトではマチアス・クロッツ。
  
 なお、カスタネッリは故国のイタリアを離れ、パリとマドリッドでヴァイオリンを作った。
 これらのイタリア以外の諸国のヴァイオリンーメーカーたちの製作技術は決して劣ったものではなく、現在でもその価値は高く評価されている。
 しかし、大部分のメーカーは、当時の最も優れた製作者であった二コローアマティの楽器の形態を真似ていたのである。


楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止


▶︎▶︎▶︎第1章 10 ニコロ・アマティ
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