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※2019年時
都市
ポルトガル/ポルト
日程
2019年7月14日~21日
申込締切
メインカテゴリー:2019年3月25日
ジュニアカテゴリー:2019年5月31日
審査部門
ピアノ
年齢制限
メインカテゴリー:32歳以下(2018年12月31日時点)
ジュニアカテゴリー:5歳~18歳 カテゴリーA:18歳以下
カテゴリーB:13歳以下
カテゴリーC:11歳以下
カテゴリーD:9歳以下
カテゴリーE:7歳以下 どれも(2018年12月31日時点)
賞(通貨:ユーロ)
メインカテゴリー:1位:10,000 2位:6,000 3位:3,000
ジュニアカテゴリー:カテゴリーA:1位:1,000 2位:750 3位:400
カテゴリーB・C:1~3位 ディプロマ・トロフィー
カテゴリーD・E:1~3位 ディプロマ・メダル
開催周期
毎年
次回開催
2020年
問
SantaCecíliaInternational Competition
Rua Guerra Junqueiro, 455 4150-389 Porto Portugal
Tel:(+351)22-600-21-50
メインカテゴリー:piano@scecilia-competition.com
ジュニアカテゴリー:junior@scecilia-competition.com
info@cmsilvamonteiro.com
https://www.scecilia-competition.com/index.php
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月刊ショパン 2018年10月号 p.67より転載
世界のコンクール便り vol.63
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)
〈メインカテゴリー〉
1位 ロヴレ・マルシッチ(25歳、クロアチア)
2位 ホルヘ・ナヴァ(27歳、スペイン)
3位 小林海都(22歳、日本)
写真は、皆に祝福される、メインカテゴリー優勝のロヴレ・マルシッチ
16世紀に種子島に漂着して以来、ヨーロッパの中でも最も長い日本との友好の歴史を持つ国の一つであるポルトガル。首都リスボンに次ぐ第二の都市、 ポートワインの積出港である美しいポルトの旧市街は世界遺産にも登録されている。その港町にあるOMA/レム・コールハース設計のコンサートホール、カーサ・ダ・ムジカで毎年開催されている、サンタ・チェチーリア国際ピアノコンクールは今回で20回目を迎え、私はそのメインカテゴリーのセミファイナルとファイナルへと足を運んだ。
今回は日本人16名を含む84名(内24名棄権)が参加したのだが、セミファイナルへの切符を手にしたのはたったの6名。そしてファイナルへは3名が進出し、コスタ・アトランティカ管弦楽団(指揮:ルイス・ミゲル・クレメンテ)と共演した。 審査員は、審査委員長のアルヴァロ・テイシェイラ・ロペス、ホアキン・ソリアーノ、グリゴリー・グルツマン、カルロス・セブロ諸氏ら。これまでに、フロリアン・ミトレア、レヴォン・アヴァギャンらが入賞している。
写真は、カテゴリーEの入賞者たち。このコンクールでは、ジュニアカテゴリー(AーEの5カテゴリー)も並行して行われた
セミファイナルでは、特に各曲のつなぎが素晴らしくて非常に良く統一された、シューマン:《クライスレリアーナ》、ファイナルでは、ベートーヴェン:《ピアノ協奏曲第4番》を繊細な表現で聴衆や審査員を魅了したロヴレ・マルシッチが優勝。彼には賞金以外に副賞として、CD制作やヨーロッパ各地でのリサイタルの機会が与えられた。
二位は、ファイナルでプロコフィエフ:《ピアノ協奏曲第3番》をみごとに弾ききったホルヘ・ナヴァ。三位はファイナルのチャイコフスキー:《ピアノ協奏曲第1番》も大変聴きごたえがありおもしろかったが、何といってもセミファイナルのハイドンのソナタが最高であった小林海都。彼の音と音の間の聴き方、音楽性が師匠のマリア・ジョアン・ピレシュ氏を彷彿とさせた。
今回は一次予選からかなり高水準で、6名を選出するのが容易ではなかったとのこと。次回はセミファイナリストの数を増やすことも検討するようだ。
写真は、メインカテゴリー第三位の小林海都さん。彼の今後の活躍にますます注目したい