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※2019年時
都市
イタリア/ブレシカ
日程
2019年7月29日~8月4日
審査部門
ピアノ
年齢制限
35歳以下
賞(通貨:ユーロ)
1位:6,000 2位:3,000 3位:2,000
開催周期
毎年
次回開催
2020年
問
Brescia Classica International Piano Competition
Via Gasparo daSalò, 13, 25122 Brescia BS, Italy
Tel:(+39) 3923005991
info@bresciaclassica.it
www.bresciaclassica.it
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月刊ショパン 2019年11月号 p.89より転載
世界のコンクール便り vol.76
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)
第3回ブレシア・クラシカ国際ピアノコンクール
1位 アンドレイ・アレイニコフ(26歳、ロシア)
2位 ドミニク・シャモ(23歳、スイス)
3位 ミシェレ・カンドッティ(23歳、イタリア)、
バルトウォミェイ・ココト(18歳、ポーランド)
写真は、左から(敬称略)審査委員長のパオロ・バグリエリ、バルトウォミェイ・ココト(3位)、ドミニク・シャモ(2位)、ミシェレ・カンドッティ(3位)、アンドレイ・アレイニコフ(1位)
北イタリアのミラノとヴェネチアの間に位置し、ローマ時代には交易で栄えたブレシア。世界遺産に登録されているサン・サルヴァトーレとサンタ・ジュリアの修道院等の遺跡が残るこの美しい街のブレシア司教美術館で(所蔵されているネウマ譜は必見)2017年から毎年開催されている、ブレシア・クラシカ国際ピアノコンクールのファイナルに足を運んだ。
ここでは、一次予選(20分)とファイナル(35分)の2回のソロリサイタルで審査が行われた。近年は温暖化でヨーロッパの夏も以前より厳しくなり、エアコンなしでのコンクールは参加者はもちろん、審査員も大変だ。
写真は、入賞者、審査員、主催者ら
今回は76名が参加し、25名(内1名棄権)がファイナルに進出。現在ドイツのハンブルグでエリザベート王妃コンクールの覇者、アンナ・ヴィニツカヤの下で研鑽を積んでいるアンドレイ・アレイニコフが緊張感、そしてユーモアのあるプロコフィエフのピアノソナタ第8番を演奏して見事優勝!2位は説得力のあるヤナーチェク《霧の中で》が特に光っていたドミニク・シャモ。音楽の流れが自然で、リスト《ダンテを読んで》では鳥肌が立つ程のうねりの表現、多彩な音色で楽しませてくれたミシェレ・カンドッティと、とても良い雰囲気のシマノフスキの変奏曲作品3を披露したバルトウォミェイ・ココトが3位を分け合った。日本人の片田愛理さん、篠永紗也子さん、平川文あやさんもファイナルへ進出して健闘したが、残念ながら入賞には至らなかた。
参加者の中には、「皆さんの演奏レベルがとても高くて、びっくりしました」と言っていた者もあった。確かにこのコンクールは若くてメジャーではないが、小さなコンクールでも感動的な演奏に遭遇する時もあり、知名度等だけでレベルを判断するべきでない。
夏休み期間中は、各地でマスタークラスが行われているが、このコンクールもマスタークラスを含むフェスティバル期間中(6月24日〜9月28日)に行われている。勉強を兼ねてコンクールに参加してみてはいかがでしょう?
写真は、優勝のアンドレイ・アレイニコフ。初の国際コンクール出場だという彼に会ったのは初めてで、もちろん演奏も初めて聴いたのだが、一音目から惹きつけられた。ピアノコンクール年の2020年、またどこかで彼の演奏を聴けるかも?
1位 アンドレイ・アレイニコフ(26歳、ロシア)
2位 ドミニク・シャモ(23歳、スイス)
3位 ミシェレ・カンドッティ(23歳、イタリア)、
バルトウォミェイ・ココト(18歳、ポーランド)
写真は、左から(敬称略)審査委員長のパオロ・バグリエリ、バルトウォミェイ・ココト(3位)、ドミニク・シャモ(2位)、ミシェレ・カンドッティ(3位)、アンドレイ・アレイニコフ(1位)
北イタリアのミラノとヴェネチアの間に位置し、ローマ時代には交易で栄えたブレシア。世界遺産に登録されているサン・サルヴァトーレとサンタ・ジュリアの修道院等の遺跡が残るこの美しい街のブレシア司教美術館で(所蔵されているネウマ譜は必見)2017年から毎年開催されている、ブレシア・クラシカ国際ピアノコンクールのファイナルに足を運んだ。
ここでは、一次予選(20分)とファイナル(35分)の2回のソロリサイタルで審査が行われた。近年は温暖化でヨーロッパの夏も以前より厳しくなり、エアコンなしでのコンクールは参加者はもちろん、審査員も大変だ。
写真は、入賞者、審査員、主催者ら
今回は76名が参加し、25名(内1名棄権)がファイナルに進出。現在ドイツのハンブルグでエリザベート王妃コンクールの覇者、アンナ・ヴィニツカヤの下で研鑽を積んでいるアンドレイ・アレイニコフが緊張感、そしてユーモアのあるプロコフィエフのピアノソナタ第8番を演奏して見事優勝!2位は説得力のあるヤナーチェク《霧の中で》が特に光っていたドミニク・シャモ。音楽の流れが自然で、リスト《ダンテを読んで》では鳥肌が立つ程のうねりの表現、多彩な音色で楽しませてくれたミシェレ・カンドッティと、とても良い雰囲気のシマノフスキの変奏曲作品3を披露したバルトウォミェイ・ココトが3位を分け合った。日本人の片田愛理さん、篠永紗也子さん、平川文あやさんもファイナルへ進出して健闘したが、残念ながら入賞には至らなかた。
参加者の中には、「皆さんの演奏レベルがとても高くて、びっくりしました」と言っていた者もあった。確かにこのコンクールは若くてメジャーではないが、小さなコンクールでも感動的な演奏に遭遇する時もあり、知名度等だけでレベルを判断するべきでない。
夏休み期間中は、各地でマスタークラスが行われているが、このコンクールもマスタークラスを含むフェスティバル期間中(6月24日〜9月28日)に行われている。勉強を兼ねてコンクールに参加してみてはいかがでしょう?
写真は、優勝のアンドレイ・アレイニコフ。初の国際コンクール出場だという彼に会ったのは初めてで、もちろん演奏も初めて聴いたのだが、一音目から惹きつけられた。ピアノコンクール年の2020年、またどこかで彼の演奏を聴けるかも?