オルガ・ケルン国際ピアノコンクール

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※2019年時

都市

アメリカ/アルバカーキ

日程

2019年10月28日~11月3日

申込締切

2019年6月1日

審査部門

ピアノ

年齢制限

18歳~32歳

賞(通貨:ユーロ)

1位:15,000 2位:10,000 3位:5,000 4位:5,000
5 位最優秀コンテンポラリーピース賞 :1,000 観客賞 :1,000 抱負特別賞 :500 
セミファイナリスト特別賞 :500 
ウラジミール・スピヴァコフ慈善財団特別賞 :Moscow Welcomes Friends国際音楽祭でのリサイタル

開催周期

3年ごと

次回開催

2022年


 Olga Kern International Piano Competition
PO Box 14314 Albuquerque, New Mexico United States of America
Tel:(+1)505-814-5355  
info@olgakerncompetition.org
http://olgakerncompetition.org/

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月刊ショパン 2020年2月号 p.73より転載
世界のコンクール便り vol.79  
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)


第2回 オルガ・ケルン国際ピアノコンクール
1位 タチアナ・シャフラン(30歳、ウクライナ)
2位 フェデリコ・ガド・クレマ(20歳、イタリア)
3位 シモン・カラクリディ(22歳、ロシア)
4位  エリザべータ・クリュチェリョーヴァ(20歳、ロシア)

オルガケルンメイン.png                          写真は、参加者、審査員、主催者、ボランティアの方々

オルガケルン1.png

 2001年のヴァン・クライバーンコンクールの覇者、オルガ・ケルンとニューメキシコ・フィルハーモニー管弦楽団が2016年にアメリカ・ニューメキシコ州のアルバカーキで第1回目を開催し、今回で2回目を迎えたコンクール。優勝者に与えられる六つのオーケストラの共演を含む15以上の世界各地でのコンサート、スタインウェイレーベルへのCD録音等の副賞が大変魅力的なコンクールだ。
 このコンクールでは、予備予選を通過した24名の全参加者にはホストファミリーが手配されるのだが、スタインウェイの協力で各家にグランドピアノが1台ずつ練習用に設置され、参加者たちはとても恵まれた環境でコンクールに臨める。もちろん、各ピアニストによって奏でる音色も様々だが、個人的にはニューヨーク・スタインウェイとハンブルグ・スタインウェイの聴き比べも興味深かった(*)
写真は、ニューメキシコ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ロベルト・ミンチュク)とラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番を熱演するタチアナ・シャフラン
(*)2次予選(セミファイナル)から。1次予選はニューヨーク・スタインウェイのみ

オルガケルン2.png

 前回に比べ、全体的なレベルがアップした今回は、ファイナルで見事なラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を披露したシャフランが優勝。彼女は、1次予選からパールのような丸い音が並ぶ美しいフレージングで魅せ、2次予選では、ショパンのソナタ第3番、ラヴェル《夜のガスパール》などを彼女らしく表現していた。2位は、繊細で表現力豊かで、聴衆賞と新曲課題最優秀演奏賞を併せて受賞した20歳のクレマ。3位は1曲目のスカルラッティのK27の何とも切ない感じの出だし、寒気のしたプロコフィエフの練習曲作品2の3で1次予選から注目していたカラクリディ。4位はラフマニノフのソナタ第2番や、チャイコフスキー(フェインベルグ編)の交響曲第6番第3楽章スケルツォなど、男性顔負けのプログラムを見事に弾ききったクリュチェリョーヴァ。
 今回の新曲課題曲ディヴィッド・アール《MettaBhavana(慈愛の瞑想)》は参加者たちはもちろん、観客からも大好評であった。またいつか日本で演奏される機会があることを願う。公式ウェブサイトのアーカイブから、録画の鑑賞も可能。
写真は、左から(敬称略):事務局長のマリアン・タナウ、フェデリコ・ガド・クレマ、エリザべータ・クリュチェリョーヴァ、タチアナ・シャフラン、シモン・カラクリディ、芸術監督兼審査委員長のオルガ・ケルン、理事長のモーリン・バカ


月刊ショパン 2017年2月号 p.95より転載
世界のコンクール便り vol.43 
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)

第1回 オルガ・ケルン国際ピアノコンクール
1位 チェン・ガン(22歳、中国)
2位 アンナ・ドミトレンコ(24歳、ウクライナ)
3位 アナスタシア・ネプレコヴァ(32歳、ウクライナ)
4位 ジョシュア・ラプリー(23歳、アメリカ)

オルガケルン20171.png写真は、審査員たち(左から、敬称略)。ウラディミール・ケルン、筆者、ファリ・パヴリ、オルガ・ケルン、コンスタンチン・シェルバコフ、コンスタンティン・オルベリアン

オルガケルン20172.png

 1962年以来4年ごとに開催され、国際ピアノコンクールの5本の指に入ると言われている、ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで2001年に優勝したオルガ・ケルン。ヴァン・クライバーンコンクールの特性、優勝者に与えられる多数のコンサートを皮切りに、現在では名実共に彼女の世代を代表するピアニストの一人。ケルンと彼女が何度も共演しているニューメキシコ・フィルハーモニー管弦楽団が共同で、第1回オルガ・ケルン国際ピアノコンクールを、米国ニューメキシコ州のアルバカーキで大々的に開催した。
写真は、左から、コンクール最高責任者のマリアン・タナウ氏、優勝のチェン・ガンさん、芸術監督兼審査委員長のオルガ・ケルン氏、ホストファミリーの方々。タナウ、ケルン両氏は、今回の大会のレベルに非常に満足のよう。次回のコンクールは3年後の予定

オルガケルン20173.png
 このコンクールの注目は、まず優勝者の副賞。スタインウェイレーベルへの録音をはじめ、米国内はもちろん、ロシア、ヨーロッパ、南アフリカなどでのコンサート。そして今回は、ファイナルで圧倒的なプロコフィエフの《ピアノ協奏曲第3番》を披露したチェン・ガン(中国)が優勝し、それらの権利を得た。セミファイナルでのバーバー《ソナタ》が特に素晴らしかったアンナ・ドミトレンコ(ウクライナ)はプロコフィエフ《ピアノ協奏曲第2番》を演奏して2位。彼女は聴衆賞と新曲課題曲であったロリー・ボイル氏の《SIXT(OK)ENS》の最優秀演奏賞も受賞(彼女は唯一暗譜)。オルガ・ケルン(OK)に献呈されたこの新曲は6つのセクションからなり、セクションの演奏順を並び替えたり、即興演奏を組み込んだり、アイデアもおもしろく、審査員にも好評。1次予選から深い音色で、特にラフマニノフの演奏が際立っていた、アナスタシア・ネプレコヴァ(ウクライナ)は、ラフマニノフの《パガニーニの主題による狂詩曲》を選択し3位。彼女はラフマニノフ作品の最優秀演奏賞に当たる〝グジック財団賞〞も受賞。地元アルバカーキ出身でドイツで勉強中のジョシュア・ラプリーは、みごと4位。
 コンクール出場者への待遇もたいへん魅力的。全員に交通費が支払われ、ホストファミリーも手配され、残念ながら途中敗退の出場者たちも、ニューメキシコの滞在を楽しめたようだ。
写真は、ニューメキシコ・フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ウラディミール・ケルン)と近年のコンクールで人気の難曲、プロコフィエフの《ピアノ協奏曲第2番》を共演する、2位のアンナ・ドミトレンコ

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