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※2019年時
都市
ハンガリー/ブダペスト
日程
2019年9月8日~15日
申込締切
2019年4月30日
審査部門
ピアノ / 室内楽 / ヴァイオリン / 作曲
2019年はピアノ部門
年齢制限
32歳以下(1987年9月7日以降に生まれた者)
賞(通貨:ユーロ)
1位:30,000 2位:20,000 3位:10,000
開催周期
毎年(部門は毎年異なる)
次回開催
2020年室内楽部門
問
Liszt Ferenc Academy of Music Secretariat of the Bartók World Competition
H-1077 Budapest, Wesselényi utca 52, Hungary
Tel:(+48)52-327-0291
Fax:(+48)52-327-0291
office@bartokworldcompetition.hu
https://bartokworldcompetition.hu/en
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月刊ショパン 2019年12月号 p.82より転載
世界のコンクール便り vol.77
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)
バルトーク・ワールドコンペティション&フェスティバル(ピアノコンクール)
1位 ソコライ・アーダーム(23歳、ハンガリー)
2位 バロッグ・アーダーム(21歳、ハンガリー)
3位 ピーター・クリモ(28歳、アメリカ)
写真は、14名のセミファイナリストたち。優勝賞金は3万ユーロとトップクラスで、たくさんの特別賞もあり、上位入賞者3名以外も演奏機会等が与えられる賞を受賞した
ハンガリーを代表する作曲家・ピアニストの一人で、1905年にパリで行われたアントン・ルビンシテイン国際コンクールのピアノ部門と作曲部門にエントリーし(ピアノ部門では2位入賞)、民族音楽の収集にも力を注いでいたバルトーク・ベーラ。彼の生誕135周年を記念し、2017年に彼の名に因んだ新しい国際コンクールがリスト・フェレンツ音楽大
学によって創設された。初回はヴァイオリン、今年はピアノ、そして2年後は室内楽コンクールが開催される予定。その3部門の間の年に、翌年行われるコンクールの新曲課題曲となる作品を見出す目的で、作曲コンクールが行われている。
筆者は、艶やかなアール・ヌーヴォー様式のホールで行われた、ソロファイナルと協奏曲ファイナルでの演奏を堪能した。今回は
38名が予選に通過し(内10名棄権)、参加者の3分の2は男性。審査員は、審査委員長の渡辺健二氏をはじめ、ヴァーシャリ・タマー
シュといったハンガリー音楽に精通された方々が中心の構成。
最終的に協奏曲ファイナルに進んだのは、ハンガリー人の血が流れる男性3名。6名のソロファイナリストの紅一点、特にシューベルトのソナタ第13番のフレージングが美しかったウクライナ人のダリヤ・ダディキナは、惜しくも落選。
写真は、上位入賞者の3名。左から3位のピ―ター・クリモ(彼の両親はハンガリー人)、1位の ソコライ・アーダーム、2位のバロッグ・アーダーム。彼らはハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ハマル・ゾルト)と共演した
優勝は、ほとんどのコンクールでは課題から除かれている、難曲のバルトークのピアノ協奏曲第1番を選んだソコライ・アーダーム。その風貌やしぐさから叔父のソコライ・バラシュを彷彿とさせた彼は、ソロの演奏からも表現力が際立っていた。2位は現在ドイツのハノーヴァーで研鑽中、リストのピアノ協奏曲第2番を選択したバロッグ・アーダーム。特にソロのショパンのマズルカや、ラヴェルの《夜のガスパール》より〈オンディーヌ〉で繊細さを魅せていた。3位はバルトークのピアノ協奏曲第3番を演奏したピーター・クリモ。オーケストラとのアンサンブルが素晴らしかった彼は、オーケストラ特別賞も併せて受賞した。
写真は、コンクール会場は、ブダペストにあるリスト・フェレンツ音楽大学(リスト音楽院)の1900年代初頭に建てられた校舎。ソロ・協奏曲ファイナルは、その中にある壮麗なリスト・アカデミー・コンサートセンターで行われた
1位 ソコライ・アーダーム(23歳、ハンガリー)
2位 バロッグ・アーダーム(21歳、ハンガリー)
3位 ピーター・クリモ(28歳、アメリカ)
写真は、14名のセミファイナリストたち。優勝賞金は3万ユーロとトップクラスで、たくさんの特別賞もあり、上位入賞者3名以外も演奏機会等が与えられる賞を受賞した
ハンガリーを代表する作曲家・ピアニストの一人で、1905年にパリで行われたアントン・ルビンシテイン国際コンクールのピアノ部門と作曲部門にエントリーし(ピアノ部門では2位入賞)、民族音楽の収集にも力を注いでいたバルトーク・ベーラ。彼の生誕135周年を記念し、2017年に彼の名に因んだ新しい国際コンクールがリスト・フェレンツ音楽大
学によって創設された。初回はヴァイオリン、今年はピアノ、そして2年後は室内楽コンクールが開催される予定。その3部門の間の年に、翌年行われるコンクールの新曲課題曲となる作品を見出す目的で、作曲コンクールが行われている。
筆者は、艶やかなアール・ヌーヴォー様式のホールで行われた、ソロファイナルと協奏曲ファイナルでの演奏を堪能した。今回は
38名が予選に通過し(内10名棄権)、参加者の3分の2は男性。審査員は、審査委員長の渡辺健二氏をはじめ、ヴァーシャリ・タマー
シュといったハンガリー音楽に精通された方々が中心の構成。
最終的に協奏曲ファイナルに進んだのは、ハンガリー人の血が流れる男性3名。6名のソロファイナリストの紅一点、特にシューベルトのソナタ第13番のフレージングが美しかったウクライナ人のダリヤ・ダディキナは、惜しくも落選。
写真は、上位入賞者の3名。左から3位のピ―ター・クリモ(彼の両親はハンガリー人)、1位の ソコライ・アーダーム、2位のバロッグ・アーダーム。彼らはハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団(指揮:ハマル・ゾルト)と共演した
優勝は、ほとんどのコンクールでは課題から除かれている、難曲のバルトークのピアノ協奏曲第1番を選んだソコライ・アーダーム。その風貌やしぐさから叔父のソコライ・バラシュを彷彿とさせた彼は、ソロの演奏からも表現力が際立っていた。2位は現在ドイツのハノーヴァーで研鑽中、リストのピアノ協奏曲第2番を選択したバロッグ・アーダーム。特にソロのショパンのマズルカや、ラヴェルの《夜のガスパール》より〈オンディーヌ〉で繊細さを魅せていた。3位はバルトークのピアノ協奏曲第3番を演奏したピーター・クリモ。オーケストラとのアンサンブルが素晴らしかった彼は、オーケストラ特別賞も併せて受賞した。
写真は、コンクール会場は、ブダペストにあるリスト・フェレンツ音楽大学(リスト音楽院)の1900年代初頭に建てられた校舎。ソロ・協奏曲ファイナルは、その中にある壮麗なリスト・アカデミー・コンサートセンターで行われた