゙若いピアニスト達の国際ランコントル”ピアノコンクール

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※2018年時

都市

ベルギー/グレ=ドワソー

日程

2018年2月21日~23日

審査部門

ピアノ

年齢制限

カテゴリー1:2007年4月1日以降に生まれた者
カテゴリー2:2003年4月1日以降に生まれた者
カテゴリー3:1999年4月1日以降に生まれた者
カテゴリー4:1993年4月1日以降に生まれた者

開催周期

2年ごと

次回開催

2020年(2021年に延期)


 EPTA-BELGIUM W-B piano competition
http://www.epta-belgium.be/

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月刊ショパン 2018年5月号 p.68より転載
世界のコンクール便り vol.58  
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)

第14回“若いピアニスト達の国際ランコントル”ピアノコンクール
〈カテゴリー4(18歳~24歳)〉
1位 ミラベル・カジェンジェリ(19歳、フランス)
2位 エディタ・ハコビャン(24歳、アルメニア)
3位 ルーランド・フェルミューレン(19歳、ベルギー)

若いピアニストたちの1.png
写真は、カテゴリー4で2位のエディタ・ハコビャン(アルメニア)。全体的にロマンティックに仕上げ、時にはパッションも見せた

若いピアニストたちの2.png
 近年数が増えつつある、若いピアニストのためのコンクール。今回はベルギーの首都ブリュッセルから南東約15キロに位置するグレ=ドワソーという町で行われたピアノコンクールの一次予選(全2ラウンド)に足を運んだ。このコンクールは、たびたび来日されているディアーヌ・アンデルセン氏によって〝若いピアニストたちの国際ランコントル〞(*ランコントル=出会い)として創設された。このたび14回目を迎えたが、過去にはたくさんの日本人も入賞している。現在はカルチャーセンターで2年毎に開催されているが、私が一番最初に訪れた15年ほど前はブリュッセル近郊の山の上の教会で毎年行われており、当時人生
で初めて蛙料理を口にしたことは忘れられない。
 若いピアニストのための国際コンクールにおいては、新しいピアニストとの出会いの確率の方が高いのは事実だが、コンクールに興味があって出場するピアニストは決まりつつあるようで、以前他の国で知り合った子たちにもベルギーで再会した。 
写真は、入賞者と、ディアーヌ・アンデルセン、ウォルフガング・マンツ、ボヤン・ヴォデニチャロフ、マレイ・マクラクラン氏らを含む審査員陣。私が聞き逃した他のカテゴリー(特にカテゴリー2)のレベルも高かったようだ。公式サイトより録画の視聴も可能

若いピアニストたちの3.png

 最年長グループ、カテゴリー4で優勝したのは、奏でる音楽がとても自然であったフランス人のミラベル・カジェンジェリ。このカテゴリーでは、20世紀、21世紀のベルギー人作曲家の作品が課題に含まれるのだが、彼女は2010年のブリュッセルのエリザベート王妃コンクールの委託作品であった、J|L・ファフシャン氏の〝BacktotheSound〞を披露。2位はエディタ・ハコビャン。彼女のラフマニノフの《前奏曲》の温かくて太いメロディーラインは特に印象に残った。3位のルーランド・フェルミューレンは、現代曲にS.ヴァンデ・ギンステ氏の作品を選択し、繊細に表現。ピアノコンクールは、ピアニストのみならず、作曲家にとっても大きなチャンスであることを改めて確信した。
 カテゴリー3の1位はワン・チョン(中国)、2位はミア・ぺチュニック(クロアチア)、3位は アンナ・リンコヴァ(ロシア)。入賞者の共通点として、〝音色の美しさ〞 が挙げられる。次回は2年後に予定。
写真は、カテゴリー4で優勝のミラベル・カジェンジェリ。コンクールで大人気のショパンのエチュード《木枯らし》のイントロの音楽との距離感が素晴らしく、第一主題が始まってからも常に“歌”があった
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