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English
※2018年時
都市
アイルランド/ダブリン
日程
2018 年5 月18 日~ 29 日
審査部門
ピアノ
年齢制限
1988 年5 月16 日~ 2000 年5 月14 日の間に生まれた者
賞(通貨:ユーロ)
1 位:15,000
2 位:10,000
3 位:7,000
4 位:5,000
開催周期
3年ごと
次回開催
2021年5月18日~29日
問
Dublin International Piano Competition
c/o Axa Insurance Building, Dublin Road, Bray, Co. Wicklow A98DT89 Ireland
Tel:(+353)1-272-1523
info@dipc.ie www.dipc.ie
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月刊ショパン2018年7月 p.104より転載
世界のコンクール便り vol.60 文/アーリンク明美
第11回ダブリン国際ピアノコンクール
1988年からアイルランドの首都ダブリンで三年毎に開催され、今回で30周年を迎えたダブリン国際ピアノコンクール。過去には、これまでにもたびたび来日し、日本でも名が知られているパーヴェル・ネルセシアンやアレクセイ・ゴルラッチらが優勝している。今回は過去最高の214名の応募があり、63名が予選を通過。最終的には日本人女性5名含む55名がダブリンに集まり、筆者はそのセミファイナルからの演奏を堪能した。
このコンクールのレパートリーは、一次からセミファイナルまでのソロは自由曲(セミファイナルでは自由曲に加え、アイルランド人作曲家による4曲の委託作品の中から1曲選択し演奏)、ファイナルへは2曲のピアノ協奏曲を用意し、その一方を審査員に指定される。今回のセミファイナルではハイレベルな演奏が続いたが、12名のうちファイナリストに選ばれたのはたった4名。ファイナル進出を逃したブレッテンベルクのJ.S.バッハ:《ゴルトベルク変奏曲》や、ゲニューシェーネのショスタコーヴィチ:《24のプレリュードとフーガ》第24番もおもしろかった。綺麗な音が印象的だった18歳のリー、日本人唯一のセミファイナリストの小野田有紗も残念であった。
結果は、チョン・セヨンが近年人気のあるプロコフィエフのピアノ協奏曲第2番を弾いて優勝し、副賞としてウィグモアホールやカーネギーホールなどの世界の主要ホールでのリサイタルのチャンスも手に入れた。彼はセミファイナルでもプロコフィエフを演奏したのだが(ソナタ第8番)、プロコフィエフの音楽の厳しさというより、美しさを引き出すのが上手い。
2位は、ショパンのピアノ協奏曲第1番を演奏したエヴリン・オゼル。彼の演奏は初めて聴いたのだが、セミファイナルでも繊細さが際立っていた。3位はチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番を披露したアレクセイ・シチェフ、4位はエキサイティングなプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番を演奏したアリスト・シャム。彼らの今後の活躍に期待したい。
右上は、審査委員長のジョン・オコーナー氏をはじめ、江口文子氏といった錚そうそう々たる審査員らに見守られ、 アイルランドのマイケル・D・ヒギンズ大統領に表彰される優勝のチョン・セヨン
リハーサルに集中する、チョン・セヨン。このコンクールでは、参加者たちはホームステイができる。コンクールのオーガナイズは非常にしっかりしており、とても温かい雰囲気