「 日本ピアノ教育連盟ピアノ・オーディション」は、1984年に、日本を代表するピアニスト・ピアノ教授であった安川加壽子氏が同団体を設立すると同時に始まったオーディションで、現在も、各音楽大学の教育家が労を惜しまず日本のピアノ教育のレベルアップのために企画し続けている。就学前幼児から学生・一般に至るまで、ピアノ学習者を対象として開催され、毎年11月を中心に行われる地区予選と翌3 月の全国大会の２段階からなる。「オーディション」の名が表すとおり、競争よりはむしろ、その年齢にふさわしい本質的な課題曲を的確に提示して、各人の豊かな音楽性の醸成を支えるという性格に重点が置かれ、教育的配慮が隅々まで行き渡るコンクールとなっている。各地区予選に先駆けて、全国各地で一流の演奏家・教育家による講座や公開レッスンを充実させていることも、その意義を補強するものといえる。

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