最後に、同じくピアノ指導者の団体「一般社団法人全日本ピアノ指導者協会（ピティナ）」が主催する「ピティナ・ピアノコンペティション」は、1977 年に始まり毎年開催されている、世界でも最大規模の参加人数を持つピアノコンクールである。ソロ部門は就学前幼児からプロを目指す「特級」まで、またデュオ（連弾・２台ピアノ）部門やグランミューズ（社会人）部門も併設された総合的なコンクールで、多くの級は、5 月下旬から夏休みまでに全国各地で地区予選、夏休み前半に全国主要都市で地区本選、後半に東京で数日間にわたって開催される全国決勝大会と、３段階からなる。最上級の「特級」の決勝（ファイナル）は、サントリーホールでプロの指揮者・伴奏者との共演で行われる。同じくプロオケと共演する日本音楽コンクール・東京音楽コンクールとは対照的に、決勝に向けて日程が詰まっていく、より厳しいスケジュールを取る。毎回、３～４名の海外審査員が積極的に招聘されることも特徴的である。各部門の入賞者に、各地の「支部」それぞれの褒賞演奏会が開催されるのは、全国組織らしい特徴といえるだろう。

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