横山幸雄ピアノQ&A136 から  Q18 音大に行かなければダメ?

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Q18. 小さい頃からピアノを習っていますが、音大進学を両親が反対しています。個人レッスンだけでも上手になれますか。


 音楽大学の大きな特徴は、音楽を目指す人が集まっていることである。その中に身を投じることによって、より音楽の中にどっぷりとつかれるだろう。これが音大の持つ最大のメリットと言える。

 一方、一般大学に通えば音楽以外の分野に興味を持ったり、いろいろなことを勉強したり、他の芸術に触れたり、さまざまな人に出会うことができる。それによって、音楽をより深く理解できるようになるとも言えるわけで、なにも音大進学だけがピアノを勉強している人たちのところだとは思わない。逆に音大に通っている人は、そういう音楽とは異なる他の分野に広く目を向けて視野を広げ教養を深めることを自ら意識しておこなうことが必要になってくるだろう。

 確かに音大ではピアノ以外の音楽史やアナリーゼやソルフェージュ、ハーモニーなどの授業が充実しているはずであり、ピアノを弾く上で役に立つ音楽教養を幅広く勉強できる。その点では、音大に一分の利があるような気がする。だが、それすらも自分で本を読んだり、わからないところは先生に聞いて勉強することで補えないことではないと思う。

 つまりは本人のやる気次第と言えるだろう。カッコ良さで進学先を決めても将来のプラスにはならないだろう。もっとも僕の非常に個人的な意見としては、ある程度の能力とやる気のある人は、もっとそれ以外にやりたいことがあるならば別だが、そうでないのなら音大へ行ってぜひ音大のレヴェルアップに貢献してほしい。集団教育である以上、全体のレヴェルが上がることは音楽界全体のためにも、トップクラスのさらなる向上のためにもぜひとも必要なことである。


「横山幸雄ピアノQ&A136 上 part 2 学ぶ・教える」

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