ピリオド楽器コンサート観戦&取材日記 by月刊ショパン【4日目 10月10日】

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今日からいよいよ第2ステージが始まりました。第1ステージの結果は、10人の日本人コンテスタントから、鎌田紗綾さんが第1ステージを通過されました。おめでとうございます!
客席で聴かせていただきましたが、とても立派に演奏されていました!

第2ステージからは「月刊ショパン」の公式YouTubeチャンネルでも、音楽ライターの森岡葉さんと、ショパン研究家で音楽ライターの多田純一さんの演奏レビューをお届けしています。




さて、本日は調律師のステベルタさんにコンクールで使用されているグラーフの特徴を教えていただきました。



▲ブルガリア人のスベルタさん。

スベルタさん「この楽器の特徴は第2響板があること。通常、音を豊かにさせる「響板」は楽器に張り込んであるものですが、第2響板は弦の上にあって、取り外してより迫力のある音で演奏が可能になります。
また、この時代のピアノは金属の鋳物の鉄骨フレームが入っていない木枠の楽器。だから弦の張力がモダン楽器と比べて低く、ピッチは440Hzではなくて、430Hzです」

——そうすると、チューニングの安定性も悪いわけですよね?

「もちろんそうだけど、モーツァルトの時代はそれで全く問題がなかったんです。なぜならエアコンによる急激な温度や証明の変化などの楽器にダメージを加える要因がなかったので。だからチューニングの保持力が弱くても全く問題はなかったんですよ。
だからこの楽器にとって現代のコンサートホールで使われている状況は非常にストレスがかかっているんです」



——演奏できる状態を保つのは大変なんですね!

「楽器が僕に何を施すべきか教えてくれるんだ。それを僕は注意深く聴いているよ」

——調律は平均律ですか?

「平均律だけどちょっと変えているね。古典調律ではないよ」

お忙しいところ快くインタビューにお応えいただいたスベルタさん、ありがとうございました!
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