
ストラディヴァリ
弟子たちが二コロ・アマティの後期のヴァイオリンを作るのに手を貸したかどうかということは重要な問題であるが、更に重視すべきことは晩年の老師が彼等に教えた芸術上の哲学である。
ストラディヴァリの仕事ぶりは、彼が二コロ・アマティの美への信念、非妥協的な芸術上の良心および完全さを求める努力を引き継いだことを如実に示している。ストラディヴァリ自身が年老いて、彼の若い頃のイメージを思い出し、その指導者の回想にふけったであろうということは容易に想像することができる。
楽器の事典ヴァイオリン 1995年12月20日発行 無断転載禁止
▶︎▶︎▶︎2章 19 クレモナの栄光
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