楽器の事典ピアノ 第3章 ニューヨーク・スタインウェイとハンブルクス・タインウェイの相場の相違点

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世界的な名声を勝ち得た名器とその系譜


 ニューヨーク・スタインウェイとハンブルク・スタインウェイの相違点―ニューヨーク製スタインウェイとハンブルク製スタインウェイは、その国民性の違いによって、各々の特色を持っている。機構的には同じ原理、同じ設計理論に基いて製作されており、使用されている材質、アクション等の微細な点には多少の工夫と相違があるが、際立った特色は音色の上に見られる。

 ニューヨーク製スタインウェイは、ブリリアントで明るくよく響き、一方、ハンブルク製スタインウェイは、ブリリアントな響きの他に陰影を秘めているといわれている。

 メカニズムについては、ハンブルク製は、極めてノーマルに作られていて、誰にでもなじみ易く、他方、ニューヨーク製は弾き込んでいくと、弾きやすくなり、よく響くような力学的工夫が所々になされている。つまり、ニューヨーク製は革新的なのに対して、ハンブルク製は多分に保守的といえるであろう。

 ニューヨーク製スタインウェイは、アメリカ流にわり切って、音そのものを徹底的に追求し、材料にも糸目をつけないが、音と関係のない所には余り手をかけないといったところがある。これに対して、ハンブルク製は、あらゆる点での完全性を指向し、音質、機構、仕上げに神経をゆきわたらせて作られていると言うことができる。

 

改訂 楽器の事典ピアノ 平成2年1月30日発行 無断転載禁止



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