楽器の事典ピアノ 第1章 ピアノの生誕と発達の歴史 8

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[画像]鍵盤を切っているところ


フランス


 フランスは当時宮廷国家として音楽的に最も高い文化水準を持っていたが、18世紀の前半までピアノの姿は現れていなかった。フランスの最初のピアノは1759年にベルトマンによって作られた。
 この楽器はチェンバロを変形したもので、新しいジャックをつけ、これが弦を下から打つタンジェントアクション方式で、現在、ベルリンの楽器博物館に保存されている。特徴のあるものとしてはパスカル・タスカンのピアノがある。これは1787年頃に作られたもので、すばらしいアクション装置、すなわち、ハンマーを弦に推進するジャックがキーの側でなくハンマーに固定されているものなどの他に、機械的に弦を締めるレストピンを持っていた。
 フランスのメーカーとして最も有名なセバスチャン・エラールは、彼の最初のピアノを1777年に作ったと伝えられている。エラールは当初、さきに述べたツンペのシングルアクションをコピーし、六オクターブ半のピアノを作り、また、1796年に、最初のグランドピアノを完成している。
 このグランドピアノにはイギリス式のシングルアクションを多少修正して使い、また、同時にドイツ式のアクションの楽器を作ったが、満足するものとはならず、捨ててしまったと伝えられている。エラールが世界的に名声をとどろかした名器を生み出したのは19世紀に入ってからであった。

アメリカ

 アメリカで最初にピアノが使われたのは、1773年で、ニューヨークにおける演奏会においてである。また、最初に売られたのは1774年で難破船から引き上げられたピアノの競売であったと記されている。ピアノが最初に作られたのは1775年、ジョン・ベーレントというピアノメーカーによってであった。

 最初に出されたピアノの改良に関するパテントは1796年で、提出者はジェームス・シルバナス・マクリーンであるが、何を改良したかは記録に残っていないので定かではない。
 要するに、18世紀のアメリカはピアノとはあまり縁がなかった。アメリカの独立戦争が終わったのは1776年のことである。
 楽器は作曲家と演奏家が備わって初めて価値がでるものである。ところが、ピアノはその重要性を、モーツァルトの時代、つまり18世紀の終りまでは、作曲家や鍵盤楽器の演奏家たちに認められなかった。18世紀の後半までは、やはりチェンバロ全盛の時代であったのである。ピアノのペダルも、その頃には音色をチェンバロに似せるためにつけられたものと思われる。

 



改訂 楽器の事典ピアノ 平成2年1月30日発行 無断転載禁止


▶︎▶︎▶︎第1章 9 ピアノの生誕と発達の歴史

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