メリー・ウイドウ[全3幕] レハール作曲

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ドイツオペラ

メリー・ウィドウ[全3幕] レハール作曲 

登場人物

ミルコ・ツェータ男爵(Br、B) ヴァランシェンヌ(S) ダニロ・ダニロヴィチ伯爵(T) ハンナ・グラヴァリ(S) カミーユ・ド・ロジョン(T) カスカーダ子爵(T) ラウル・ド・サン・ブリオシュ(Br)他

 

概説

 アン・デア・ウィーン劇場の支配人の注文により作曲されたが、当初ホイベルガーに委嘱されていたものを、最初の数曲の出来栄えに失望してレハールに切り替えられたものと言われる。スッペやヨハン・シュトラウスに代表されるウィンナ・オペレッタの〝黄金時代〞に対して〝白銀時代〞の夜明けを告げる作品となった。初演からヒットしたが、世界各地で上演されて好評を得た。なお「メリー・ウィドウ」はこの曲の英語訳である。

第一幕

 パリにあるポンテヴェドロ公国の公使館。公使ツェータ男爵は、国王の誕生日の祝賀会を開いている。フランスを代表してカスカーダ子爵が祝辞を述べると、ツェータが挨拶するが顔色は冴えない。というのも、パリ在住の公国の富裕な若い未亡人ハンナの再婚問題を抱えているからである。彼女の財産は公国の財政を左右するほど巨額なもので、彼女がフランス人と結婚して財産が国外に流失するのを何としても阻止しなければならない。また、ツェータの美貌の妻ヴァランシェンヌにはフランスの伊達男(だておとこ)カミーユがしきりに言い寄っていて、彼女はカミーユによろめきかけている(「私は貞淑な人妻」)。カミーユは彼女の扇子に〝われ君を愛す〞と書いたまま置き忘れてしまい、それをツェータが見つける。

 ハンナが到着して、明日自宅で開く母国風のパーティに人々を招待する。ツェータは書記のニェーグシュに書記官のダニロ伯爵を呼びに行かせる。ツェータは昔ハンナと親しかったダニロを彼女と結婚させようと思っているが、プレイボーイのダニロは高級クラブのマキシムに入り浸りの毎日である。マキシ

ムから戻ったダニロは、すでに酩酊状態で現れると(「おお祖国よ」)、マキシムをたたえて長椅子で寝てしまう。ハンナがダニロを見つけて再会を喜ぶ。二人は内心今なお愛し合ってはいるが、財産目当てと思われるのを嫌ったダニロの反発から、意地の張り合いになっている。

 そこでツェータはダニロに対して、彼女との結婚を任務として言い渡す。ダニロは断るが、ハンナの再婚を防ぐことだけは誓う。そこに男たちに囲まれたハンナが現れ、ダンスの相手としてダニロを選ぶ。しかしダニロはハンナと踊る権利を一万フランで売ろうとするので、怒ったハンナは強引にダニロの手を取って甘美なワルツを踊る。

 第二幕

 翌夕のハンナ邸の庭園。故国の民族衣裳を着けた人々の踊りに続いて、ハンナがお客をもてなす「ヴィリアの歌」を歌い、ヴィリアに託してダニロへの愛を歌う。ツェータはこのパーティにダニロが来ていないので心配していると、当のダニロが現れる。ハンナはダニロの心を開かせようとするが、自尊心が邪魔(じゃま)をして煮え切らないダニロとの間で相変わらずの意地の張り合いになる。ツェータは昨夜の扇子の持ち主の調査をダニロに命じるが、公使館員夫人の全員がパリの男たちと関係があることがわかる。妻の行状をまだ知らない男たちは、女の扱い方は難しいものだと愉快に歌う(「女の研究はやさしくないよ」)皆が別室に移ると、ヴァランシェンヌと彼女を追い回してカミーユが現れる。ヴァランシェンヌは扇子に〝私は貞淑な人妻〞と書いて彼に渡すが、カミーユは強引に彼女を庭のあずまやへと誘う。それを見ていたニェーグシュのところにツェータが現れ、あずまやの鍵穴から中をのぞくと、妻がいるのに激怒して扉を開けさせる。だが出て来たのはカミーユと、ニェーグシュの手引きでヴァランシェンヌとすばやく入れ替わったハンナなので驚く。ハンナはカミーユを婚約者だと言うので、ツェータはまたも驚く。ダニロもショックを受けて、憂さ晴らしにマキシムへ向かう。ハンナはダニロの本心を確かめることができて喜ぶ。

 第三幕

 翌日のハンナ邸。ハンナはダニロの心を惹きつけるために、室内をマキシムそっくりに飾りつける。ヴァランシェンヌを先頭に、マキシムの踊り子たちが呼ばれてフレンチ・カンカンを踊り歌う(グリゼットの歌「私たちはパリのグリゼット」)。そこに、マキシムへ行ったが踊り子たちがいなかったと言ってダニロが入って来る。一方ツェータは、ちょうど本国から、グラヴァリ夫人(ハンナ)の財産が確保されなければ国家は破産するとの電報を受け取って真っ青になる。そしてダニロを呼んで、カミーユを彼女と結婚させないでダニロが彼女と結婚するよう命じる。これも祖国のためとハンナとの結婚を決意したダニロは、ハンナにカミーユとの結婚を思い止まるよう説得する。もともとダニロと結婚するつもりでいたハンナはただちに了解し、昨夜のあずまやでの真相を語る。二人は歓喜にあふれて美しいワルツを歌いながら踊る(「閉ざした唇に」)。ダニロはツェータに、ハンナとカミーユとの結婚は中止になったと報告するので、ツェータは喜ぶ反面、あずまやに落ちていた扇子から妻ヴァランシェンヌの浮気を知って妻に離婚を宣言する。そして、祖国のために自分がハンナに結婚を申し込む。ところが遺言によってハンナは結婚すれば全財産を失うことになると言うので、ツェータは求婚をあきらめる。それを聞いたダニロは、ハンナが無一文になるのを喜んで正式に彼女に結婚を申し込む。するとハンナは、結婚したら全財産は夫のものになると言う。ツェータもヴァランシェンヌに言われて扇子をよく見れば〝私は貞淑な人妻〞と書かれている。すべて丸く納まって陽気な合唱の中に幕は下りる。

 

資料

初演

1905年12月30日 アン・デア・ウィーン劇場

原作

アンリ・メイヤック/「大使館付随員」

台本

ヴィクトール・レオン、レオ・シュタイン/ドイツ語

演奏時間

第1幕29分、第2幕48分、第3幕13分(カラヤン盤CDによる)

参考CD
  • ハーウッド、ストラータス、コロ、ホルヴェーク、ケレメン/カラヤン指揮/ベルリン・フィル、ベルリン・ドイツ・オペラ唱(DG)
  • ステューダー、ボニー、スコウフス、ターフェル、トロスト/ガーディナー指揮/ウィーン・フィル、モンテヴェルディ唱(DG)
参考DVD
  • シェレンベルガー、グフレラー、ギルフリー、ベチャーワ/ヴェルザー=メスト指揮/チューリヒ歌劇場管・唱(Art)
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