「日本の世界の音楽コンクール全ガイド」もくじはこちら 「日本の世界の音楽コンクール全ガイド2020年版」本の詳細はこちら |
English
※2019年時
都市
ドイツ/ボン
日程
2019 年12 月6 日~ 14 日
申込締切
2019年5月10日
審査部門
ピアノ
年齢制限
1986年12月16日~ 2003 年12月4 日の間に生まれた者
賞(通貨:ユーロ)
1 位:30,000
2 位:20,000
3 位:10,000
開催周期
2年ごと
次回開催
2021年
問
International Telekom Beethoven Competition
c/o Beethovenfest Bonn Kurt-Schumacher-Str. 3 53113 Bonn, Germany
Tel:(+49)228-18111181
Fax:(+49)228-18111182
info@telekom-beethoven-competition.de
www.telekom-beethoven-competition.de
「日本の世界の音楽コンクール全ガイド」もくじはこちら 「日本の世界の音楽コンクール全ガイド2020年版」本の詳細はこちら |
月刊ショパン 2020年3月号 p.72より転載
世界のコンクール便り vol.80 文/アーリンク明美
ベートーヴェン生誕の地といわれるドイツのボン(※)で2005年より隔年で行われるコンクール。今回は92名の応募者の中からビデオオーディションを通過した28名(内5名棄権)が世界13ヵ国から集った。前回2017年に、北村朋幹が2位に入賞したことも記憶に新しい。このコンクールではファイナルが2回に分けられ、まず1980年以降に作曲された作品と室内楽、そして協奏曲の審査が行われる。室内楽の課題曲は毎回異なるのだが、今回はベートーヴェンのピアノ三重奏曲の中から1作品を選択し、ベートーヴェン・トリオ・ボンのミハイル・オヴルツキ(ヴァイオリン)とグレゴリー・アルミャン(チェロ)と共演。さらに参加者は協奏曲を2曲用意し、審査員に指示された一方をボン・ベートーヴェン交響楽団(指揮:ディルク・カフタン)と演奏する。ファイナルに足を運んだ筆者は、ファイナリスト3名が各々異なる曲を選択したため、コンサートとしても楽しめるプログラムを二晩にわたり満喫した。
写真は、ベートーヴェン・トリオ・ボンのミハイル・オヴルツキ氏、グレゴリー・アルミャン氏とベートーヴェンのピアノ三重奏曲第3番を演奏したイン・クンモさん。1位と併せて室内楽賞も受賞
結果は、指のテクニックはもちろん、ユーモアもあり、トリオと協奏曲の両方で共演者とのキャッチボールが卓越していたイン・クンモ(中国)が優勝。2位は、1曲目の武満徹《雨の樹素描Ⅱ―オリヴィエ・メシアンの追憶に―》を美しい音で魅せた桐朋学園大学音楽学部4年生の竹澤勇人(日本)。表現力もあり、歌心ある演奏の彼の今後がますます楽しみだ。3位は抑制的に全体が綺麗にまとめられていた、イ・シヒョン(韓国)。
写真は、ボン・ベートーヴェン交響楽団とベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を共演する竹澤勇人さん
入賞者たちには、2020年から2021年にかけて、世界11ヵ国40ヵ所以上でのコンサートが予定されている。その他にも、ベートーヴェン生誕250周年、ベートーヴェンイヤーの2020年は、各地で彼に関連したイベントが予定されている。オーストリアのウィーンで開催されるベートーヴェンコンクールは1年繰り上げて開催され、中国の襄陽市でも新しいベートーヴェンコンクールが開催される予定。さらに、メジャーなピアノコンクールが世界各地で多く開催される年でもあるので、クラシック音楽で盛り上がる1年を期待している!