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詳解 オペラ名作217 野崎正俊 より
イタリアオペラ
G. Puccini, Il Tabarro 1915~16
外套[1幕] プッチーニ作曲
❖登場人物❖
ミケーレ(Br) ジョルジェッタ(S) ルイージ(T) ティンカ(T) タルパ(B) フルゴーラ(Ms)他
❖概説❖
「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」とともに “三部作” の中の一曲で、いずれも相前後して作曲された。初演も三部作が一夜に上演された。プッチーニは、パリでダンテの「神曲」を見て、三部構成を思いついたとされる。「外套」はその第一作に当たり、三作の中では最もヴェリスモ的作風に近い。
パリ、セーヌ河のほとりに繋がれている伝馬船の上。美しい夕暮れ時、沖仲仕たちが荷物を運んでいるのを船長ミケーレが大きなバイプをくわえて眺めている。ミケーレは妻ジョルジェッタに仕事が終わった沖仲仕たちに酒を振る舞うよう言い、妻に接吻しようとするが、彼女が顔をそむけるので不機嫌になる。沖仲仕たちが陽気に酒を飲んでいると、辻音楽師や小唄売りがやって来て人が集まる。荷役夫ルイージがジョルジェッタと踊っているとミケーレが出てくるが、夫婦の会話はぎこちない。ジョルジェッタは荷役夫タルパの妻フルゴーラと同郷を懐かしむ。沖仲仕たちが帰り始めるが、酔いが醒めない荷役夫ティンカは、ルイージと無為に過ぎてゆく青春を嘆く。
ジョルジェッタはルイージを呼びとめて、ミケーレに隠れて二人の愛を確かめ合う。ルイージは現れたミケーレに、ルーアンで船から降ろしてくれるよう頼むが、ミケーレは取り合わない。
ジョルジェッタはルイージに、マッチの火で合図したらそっと会いに来てくれるようにと言って熱烈な愛の二重唱を交わす。あたりは暗くなり、ミケーレはジョルジェッタを抱こうとするが、彼女は船倉に入ってしまう。ミケーレは妻の相手を見つけたら殺してやると叫び(「何もない、静かだ・・・死の中に安らぎが」)、パイプに火を点ける。
それを逢い引きの合図と思ったルイージが船に忍び込むとミケーレに捕らえられ、首を絞め殺される。ジョルジェッタが怯えた様子で現れるので、ミケーレは死体をマントで隠す。ジョルジェッタは先ほどの素っ気ない態度を詫びるが、ミケーレはマントの裾を開いてジョルジェッタの顔をルイージの死体に押しつける。
パリ、セーヌ河のほとりに繋がれている伝馬船の上。美しい夕暮れ時、沖仲仕たちが荷物を運んでいるのを船長ミケーレが大きなバイプをくわえて眺めている。ミケーレは妻ジョルジェッタに仕事が終わった沖仲仕たちに酒を振る舞うよう言い、妻に接吻しようとするが、彼女が顔をそむけるので不機嫌になる。沖仲仕たちが陽気に酒を飲んでいると、辻音楽師や小唄売りがやって来て人が集まる。荷役夫ルイージがジョルジェッタと踊っているとミケーレが出てくるが、夫婦の会話はぎこちない。ジョルジェッタは荷役夫タルパの妻フルゴーラと同郷を懐かしむ。沖仲仕たちが帰り始めるが、酔いが醒めない荷役夫ティンカは、ルイージと無為に過ぎてゆく青春を嘆く。
ジョルジェッタはルイージを呼びとめて、ミケーレに隠れて二人の愛を確かめ合う。ルイージは現れたミケーレに、ルーアンで船から降ろしてくれるよう頼むが、ミケーレは取り合わない。
ジョルジェッタはルイージに、マッチの火で合図したらそっと会いに来てくれるようにと言って熱烈な愛の二重唱を交わす。あたりは暗くなり、ミケーレはジョルジェッタを抱こうとするが、彼女は船倉に入ってしまう。ミケーレは妻の相手を見つけたら殺してやると叫び(「何もない、静かだ・・・死の中に安らぎが」)、パイプに火を点ける。
それを逢い引きの合図と思ったルイージが船に忍び込むとミケーレに捕らえられ、首を絞め殺される。ジョルジェッタが怯えた様子で現れるので、ミケーレは死体をマントで隠す。ジョルジェッタは先ほどの素っ気ない態度を詫びるが、ミケーレはマントの裾を開いてジョルジェッタの顔をルイージの死体に押しつける。
Reference Materials
初演
1918年12月14日 メトロポリタン歌劇場
原作
ディディア・ゴルドの同名戯曲
台本
ジュゼッペ・アダーミ/イタリア語
演奏時間
53分(ガルデッリ盤CDによる)
参考CD
●テバルディ、デル・モナコ、メリル/ガルデッリ指揮/フィレンツェ5月音楽祭管・唱(D)
●スコット、ドミンゴ、ヴィクセル/マゼール指揮/ニュー・フィルハーモニア管、アンブロジアン・オペラ唱(SONY)
ショパン別冊 詳解オペラ名作217 2013年12月発行 無断転載禁止