ロベルト・デヴリュー[全3幕] ドニゼッティ作曲

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詳解 オペラ名作217 野崎正俊 より

イタリアオペラ

G. Donizetti, Roberto D’Evereux 1837
ロベルト・デヴリュー[全3幕] ドニゼッティ作曲

 
登場人物

エリザベッタ(S) ノッティンガム公爵(Br) ノッティンガム公爵夫人サラ(Ms) エセックス卿ロベルト・デヴリュー(T) セシル卿(T)  グァルティエーロ・ラレイグ卿(B)

概説

 ドニゼッティにはエリザベス女王や英国史を題材に取ったオペラが数多いが、このオペラは「アンナ・ボレーナ」「マリア・ストゥアルダ」と並ぶドニゼッティの「女王三部作」のひとつとして知られている。ただこれら三作の中ではやや迫力に欠けることと、エリザベッタ(エリザベス女王)に高度のテクニックを持つ歌手が必要であるために上演される機会は比較的少ない。 序曲は1838年パリ初演時に加えられたもので、イギリス国歌のメロディが使われている。

第一幕


 第一場 ウェストミンスター宮殿の大広間。ノッティンガム公爵夫人サラは密かに愛しているエセックス卿ロベルトとの仲を思いながら、広間で読んでいる小説の主人公と思いを重ねている。実はサラはロベルトと相思相愛の仲だったが、ロベルトがエリザベッタ女王と特別な関係にあるのを知って、彼との関係を隠して公爵と結婚したのだった。そこに女王が入って来て、反逆罪でロベルトが捕らえられたことを知らせる。そして国家に対する反逆よりも自分に対する裏切りの罪のほうが重大だと語って(「彼の愛が私を幸せにしてくれた」)、自分を裏切った彼に対する怒りを燃やす。
 セシル卿、グァルティエーロ卿はロベルトの裁判は自分たちで行うと告げる。女王はロベルトが自分との昔の仲を取り戻すように願い、一人ロベルトを尋問するが、彼は裏切り行為はしていないと抗弁する。夫人のサラがロベルトに思いを寄せているとも知らずに現れたノッティンガム公爵は、ロベルトに最近妻がふさぎ込んでいると語り、友人である彼を救う決意をする。
 第二場 ノッティンガム公爵邸のサラの部屋。サラが静かにロベルトの身の上を案じているところに当のロベルトが姿を現す。彼は愛しているのになぜノッティンガム公爵と結婚したのかとサラの不実さをなじるが、彼女はそれが女王の強い希望なので自分の意思に反して公爵夫人になったと弁解する。そして彼がまだ女王から贈られた指輪を身に着けていることを非難する。サラは今なおロベルトを愛していることを彼に伝え、その証としてショールを贈る。女王の手前もあって、サラはもう彼とは会わないと言うので、ロベルトは不吉な予感を覚えながら立ち去る。

第二幕

 第一幕第一場と同じウェストミンスター宮殿の大広間。人々はロベルトの不運を嘆いている。セシル卿がロベルト死刑の判決書を持って入って来る。グァルティエーロ卿は逮捕したロベルトが女物のショールを持っていて、彼が誰か別の女性と通じているに違いないと報告するので、嫉妬に狂った女王は、グァルティエーロ卿にロベルトを詰問するためにこの場に連れて来るよう命じる。
 グァルティエーロ卿と入れ替わりにノッティンガム公爵が入って来て、友人のロベルトの助命を乞うが、彼の裏切りを信じる女王は罪を赦そうとはしない。衛兵に引かれたロベルトが入って来るので、女王は彼にショールを見せて裏切りを追及する。ノッティンガム公爵はそのショールが自分の妻のものであることに愕然として、妻への復讐を誓う。女王はロベルトにその女の名前を言えば彼を赦すというが、ロベルトは死罪を選ぶ。女王は騎士や貴婦人たちを集めてロベルトが死罪に価すると言って判決書に署名する。


第三幕

 第一場 ノッティンガム公爵邸のサラの部屋。サラのもとにロベルトから最後の別れの手紙が届けられる。そこには、かつて女王からサラに贈られた王家の指輪を彼女に見せれば、無実の証となって死罪が赦されると記されていた。しかしサラが出かけようとした時、ノッティンガム公爵が入って来てロベルトからの手紙を奪う。復讐に燃えた彼は妻の外出を認めずに部屋に閉じ込める。
 第二場 ロンドン塔の牢獄。閉じ込められているロベルトはサラの潔白を祈っている(「最後の息のなかで言おう」)。グァルティエーロ卿が現れて、ロベルトを刑場に導く。
 第三場 第一幕第一場と同じウェストミンスター宮殿の大広間。女王はロベルトを死刑にする判決書に署名したものの、なお悩んで落ち着かない(「わが望みが空しく終わらぬように」)。そこに女王に呼び出されたサラが駆けつけ、王家の指輪を差し出してかつて自分がロベルトと恋仲にあったことを告白する。女王は驚くとともに、すぐにロベルトを釈放するように命じるが時すでに遅く、ロベルトを処刑する大砲の音がする。ノッティンガム公爵は復讐を果たしたが、指輪の持参を遅らせたという理由で逮捕されて兵士に連行される。一人残された女王はロベルトの幻影に錯乱して(「流された血は」)、息子のジャコム(ジェームズ一世)に王位を譲ることを宣言し、その場に崩れるように倒れる。



Reference Materials


初演

1837年10月25日 ナポリ・サンカルロ劇場

台本 
サルヴァトーレ・カンマラーノ/イタリア語

演奏時間 
第1幕62分、第2幕26分、第3幕41分(ハイダー盤CDによる)

参考CD
●グルベローヴァ、ジーグラー、ベルナルディーニ、キム/ハイダー指揮/ストラスブール・フィルハーモニー管(Nig)
●テオドッシュウ、ピサピーア、ブラガリア、シュレーダー/ロータ指揮/ベルガモ音楽祭管・唱(Nax)

参考DVD
●グルベローヴァ、シャギドゥーリン、ピランド、アロニカ/ハイダー指揮/バイエルン国立歌劇場管・唱(DG)
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