プッチーニとトスカニーニ   オペラ名作217コラム 野崎正俊

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詳解 オペラ名作217 野崎正俊 より

コラム

プッチーニとトスカニーニ 

 アルトゥーロ・トスカニーニはフルトヴェングラー、ワルターと並んで20世紀前半から中葉にかけて活躍した三大指揮者の一人に数えられる。中でもトスカニーニ(1867〜1957)がオペラの創作の現場で果たした役割は大きい。チェリストであった彼が初めてオペラを指揮したのは1886年で、南米における「アイーダ」の代役だったが、98年にはミラノ・スカラ座の常任指揮者としてイタリア・オペラ界に欠かせぬ存在となった。彼はヴェルディを尊敬してその知己を得たが、9歳年長のプッチーニとも親交を結び、多くのオペラの初演を手がけた。特に「西部の娘」では創作の過程から作品に関わっていた。他にも「ボエーム」の初演を指揮し、「トスカ」の成功のためにも尽力している。
 そして「トゥーランドット」の初演初日ではプッチーニが筆を絶った個所で指揮棒をおいて演奏をやめ、この作曲家に対する最大の敬意を払ったというエピ ソードはあまりにも有名である。

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