詳解 オペラ名作217 野崎正俊 より
コラム
ヴェリスモ・オペラ
ヴェリスモは、日本語に訳すと「現実主義」ないしは「真実主義」となるが、 19世紀末のイタリアに興った文学上の動きである。つまり文学とは空想的なロマンティックな世界とは対照的に、現実社会に実在する真実にこそ本質があるという考えに基づいている。
オペラの世界では、マスカーニの「カヴァレリア・ルスティカーナ」が、題材となったヴェルガの人間味あふれる小説の世界を生々しい音楽で表現していることで、その代表的な例となっている。プッチーニの「トスカ」などもその影響を受けた作品である。