
編集部伊藤の珍部黙示録 第11回 中央大学杉並高等学校 思考ゲーム研究会「ゲームは人生の縮図」
今回で11回目を数える珍部黙示録。訪れさせていただいたのは中央大学杉並高校。偏差値70を超えるトップ校だ。そんな頭の切れる生徒たちが集まるこの学校に、「思考ゲーム研究会」という部活動が存在する。 ある日、編集部に届いた1通のメール。「私たちの『思考ゲーム研究会』を取り上げてほしい」と取材の申し込みが届いた。珍しい部活を探している我々としては見過ごせないメール! ふたつ返事で取材にうかがわせてもらった。「思考ゲーム」とは?
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いろいろなゲームに励む部員たち[/caption] そもそもこの研究会で扱う「思考ゲーム」とは一体どんなものなんだろうか? 漠然といってしまえば、ボードゲームやカードゲームだ。代表的なもので言えば、モノポリーなんかはだれもが名前を耳にしたことがあるだろう。実は、こうしたテーブルゲームは、ドイツのほうで盛んに行なわれているのだそう。そこを中心とした地域だけでも、年間300〜400(!)ものゲームが新たに生まれている。 「ドイツのゲーム大賞っていうのがあって、そこにノミネートされたゲームはできが良かったりゲームバランスがすごくいいものなので、そういったものにはアンテナを張ってチェックして、活動にも取り入れています」 と部長を務める渡邉りょうさん。今回取材を申し込んでくれた人物だ。 [caption id="attachment_2053" align="alignnone" width="3872"]
このクラブの三役を務めるみなさん。左から会計の森さん、部長の渡邉さん、副部長の野口くん。オリジナルのエプロンが可愛いですね![/caption] 「『わたし、思考ゲーム研究会に入っているんだよ』と言うと、微妙な反応をされることが多くて。けど、運動部にも負けないくらい真剣に取り組んでいるし、厳しい勝負の世界でもあるんですよ」と渡邉さん。どうやらただゲームを楽しんでいるだけの部活動ではなさそうだ。その真剣勝負のゲームというのを早速見せてもらおう。
さまざまな思考ゲーム、そして強化指定の「カルカソンヌ」
このクラブでは、約30種類ものゲームを研究している。もちろんどれも頭を使うものばかりだが、高校生であれば十分プレイ可能だ。「人狼」、「カタンの開拓者たち」など、有名なゲームはもちろん、「枯山水」のようなマニアックなゲームまでプレイする。 その中でも「カルカソンヌ」というゲームをこのクラブでは強化指定ゲームにしている。 (ルールが気になる人は以下の動画で解説されています) https://youtu.be/n8-DScwJcko 簡単に言ってしまえば、絵の模様をつなぎ合わせて得点を競うゲームだ。 このゲームこそが「真剣勝負」のゲームだ。もちろん他のゲームがそうでないというわけではないが、
抱き合って本戦出場決定を喜ぶ部員たち 出典:http://tablegameclub.blog.fc2.com/blog-entry-48.html[/caption] 「いままでは、学校の仲間の中だけの世界だったものが、新しいカルカソンヌとの出会いというか、『あ、こんな打ち筋もあるんだ』という発見があったことがとても大きかったと思います。また、やはり大会という雰囲気にとても緊張したので(笑)。そういった中で勝ちあがれたことは自信につながりました」と話す。 技術指導を行う顧問の生田先生も、「こういった部活動は『目標をどこに置くか』ということが非常に大事。生徒たちはそういった中できちんと『カルカソンヌの大会で勝ちあがる』という具体的な目標に向かって取組んでいるので、部活動としても有意義なものになっていると思います」 https://youtu.be/TsA2K7b_34o







