世界の中の日本のオペラ   オペラ名作217コラム 野崎正俊

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詳解 オペラ名作217 野崎正俊 より

コラム

世界の中の日本のオペラ

 日本人のオペラ歌手で海外でも広く知られていたのは、戦前は三浦環、戦後は東敦子、林康子、渡辺葉子など。藤原義江も加えてよいだろう。指揮者ではウィーン国立歌劇場の音楽監督を務めた小澤征爾を筆頭に、何人も名前を挙げることができる。
 しかし日本のオペラ作品の知名度は海外でどれほど知られているかとなると、歌手や指揮者には及ばない。團伊玖磨の「夕鶴」は数百回上演されているし、近年平井秀明の「かぐや姫」などもその後を追っているようだが、これらは日本の伝統的な民話や音楽に対する関心によるものだろう。また黛敏郎の「金閣寺」、三木稔の諸作品、そして久保摩耶子の「羅生門」などが海外からの委嘱作品だが、これらが海外の大歌劇場でレパートリーとして上演される可能性は低い。
 それは現代音楽そのものの受容と関連しているのでやむを得ない部分もあるが、これらの作品が、現代オペラのレパートリーのひとつとなる意義は決して小さくはないだろう。

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