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English
※2019年時
都市
フランス/エピナル
日程
2019 年3 月22 日~ 31 日
申込締切
2019 年2 月15 日
審査部門
ピアノ
年齢制限
1990 年~ 2004 年の間に生まれた者
賞(通貨:ユーロ)
1 位:7,000
2 位:3,000
3 位:1,500
4 位:1,000
開催周期
2年ごと
次回開催
2021年
問
C.I.P.E
Centre Culturel d'Epinal
4 rue Claude Gelée 88000 Épinal, France
secretariat.cipe@gmail.com
www.concours-international-piano-epinal.org
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月刊ショパン2015年6月 p.87より転載
世界のコンクール便り vol.24
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)
第25回エピナル国際青少年ピアノコンクール
パリの東南東、約300kmに位世するエピナルで1970年から開催され、今年で第25同を迎えたエピナル国際ピアノコンクール。1973年までは毎年、それ以降は隔年で行われているが、1972年に予定されていたコンクールはキャンセルされたので、実際は今回で24回目となる。
これまでに、伊藤忠さん、児玉桃さん、田部京子さんといった第一線で活躍していらっしゃる方々が優勝している。その恩恵を受けてか日本人に人気があり、主催者の方が、「今年のコンクールも、日本人と韓国人を抜きでは成り立たない」と冗談交じりにおっしゃっていた。
このコンクールのユニークな点は、予備審査が無く、応募順に申し込みが100名で打ち切られるということ。そして国際コンクールに参加するということは、体力、精神、そして金銭的にも大変と思うので、ここでは希望者にホストファミリーを紹介していただけるという点も挙げておく。今回は100名中から日本人12名を含む66名が参加。私は3月20日から始まった一次予選の各演奏を堪能した。
写真は、ファイナルにおいて、シューマンのピアノ協奏曲をロレーヌ国立管弦楽団と共演するギヨーム・ペロン
今回の覇者は、23歳のフランス人のギヨーム・ベロン。一次で聴いたエスプリに富んだメンデルスゾーンの。”厳格な変奏曲”の演奏は、驚きもありおもしろかった。2位はパリ在住の務川慧悟さん。彼の一次の曲順は、ショパンの練習曲作品10の1に始まり、スクリャービンの練習曲42の5、そして最後にバッハの平均律BWV849で締めくくるというもの。このエチュードから始めるのは難しいと思うが、ペダリングもすばらしく、みごとな演奏。最後のフーガは奥へ奥へと引き込まれるような感覚に襲われ、感動的であった。3位は韓国人のイ・スンヒョン、4位は第3回仙台国際音楽コンクールでも3位入賞したロシア人のオクサナ・シェフチェンコ。
余談だが、メダリストのカナダ人のリツィコフは、この10日後に行われたスペインのハエン賞国際ピアノコンクールでみごと優勝した。この16歳の彼女の将来も楽しみだ。
写真は、コンクール関係者、審査員と入賞者たち(最前列左から、敬称略):シン・ヒョゴン、イ・スンヒョン(3位)、ギヨーム・ベロン(1位)、務川慧悟(2位)、オクサナ・シフチェンコ(4位)、ジョン・ダソル、アナスタシア・リツィコフ、ダリア・マルシニーナ、ウラディスラフ・パウフ