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こちらのコンクールは中止となりました。詳細は主催者HPをご確認下さい
都市
スペイン/ハエン
日程
2020 年4 月16 日~ 4 月25 日
申込期間
2020 年3 月4 日
審査部門
ピアノ
年齢制限
1988 年4 月16 日以降に生まれた者
賞(通貨:ユーロ)
1 位:20,000
2 位:12,000
3 位:8,000
開催周期
毎年
次回開催
2020年
問
The Secretario del Concurso Internacional de Piano Premio "Jaén”
Diputación Provincial de Jaén, Plaza de San Francisco,2. 23071 Jaén Spain
Tel:(+34)953-248-000
premiopiano@dipujaen.es
premiopiano.dipujaen.es
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月刊ショパン 2019年7月号 p.102より転載
世界のコンクール便り vol.72
文/アーリンク明美 (ピアニスト/アーリンク=アルゲリッチ財団)
第61回 ハエン賞国際ピアノコンクール
1位 アレクサンダー・コリャキン(30歳、ロシア)
2位 ソナ・パク(31歳、アメリカ)
3位 二コラ・ブールドンクル(20歳、フランス)
グラナダから北へ約100㎞のハエンで1953 年に誕生し、1956年からは国内大会、1970年代に国際大会として開催されるようになり、スペ インの中で一番長い歴史を誇るコンクールの一つである、ハエン賞国際ピアノコンクール。これまでに青柳晋さん、崎谷明弘さんらも優勝し、日本人には比較的人気のあるコンクールであり、今回は日本人5名を含む23名が出場した。
結果は、ロシア人のアレクサンダー・コリャキンが、落ち着いた感じに仕上げたリストのピアノ協奏 曲第1番を披露して優勝。さらに、1時間のリハーサルだけとは信じ難い素晴らしいできだった、セミファイナルでの彼のフランクのピアノ五重奏に対し、 室内楽賞も授与された。2位は同じくリストのピアノ協奏曲第1番を勢いよく演奏した、アメリカ人の ソナ・パク。彼女は2013年の仙台国際音楽コンクールで4位入賞している。彼女はユーモアと美音で魅せたアルベニス《セビーリヤの聖体祭》の演奏に対し、スペイン音楽特別賞も併せて受賞。3位はフランス人の二コラ・ブールドンクル。彼は、2次予選での新曲課題曲を暗譜(任意なので、今回は2名のみ)で、各箇所をおもしろく表現し、現代音楽賞も併せて受賞。
写真は、入賞者、審査員、スポンサーの方々

参加者たちも口をそろえて言っていたが、このコンクールの特筆すべき点はしっかりとした運営であろう。参加準備に際しての連絡もスムーズで、充分な練習時間が与えられ、演奏もきちんと時間通りに開始されていた。多数のコンクールへ参加経験のある方はご存知かもしれないが、特に海外のコンクールでは、演奏だけでなく、どんな状況にも対応できるように心の準備をしておく必要もある。優勝者の副賞のNAXOSへの録音や、コンサートも魅力的であるが、参加者全員に朝食付きのホテルが提供され、1次予選を通過した者には300ユーロ、2次予選を通過した者には400ユー口が交通費として支払われたり、予選通過できなかった者に対し、コンクー ル期間中に演奏機会が与えられるのも重要なポイントだ。
写真は、グラナダ市管弦楽団(指揮:ポール・マン)と共演する優勝者のアレクサンダー・コリャキン。
室内楽賞も併せて受賞した彼だが、新曲課題曲のホルヘ・サストレ《Jaenera “Ecos y Temple″》の効果的な演奏もおもしろかった