團伊玖磨が書いた「自国の音楽」   オペラ名作217コラム 野崎正俊

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詳解 オペラ名作217 野崎正俊 より

コラム

團伊玖磨が書いた「自国の音楽」

 1952年の初演以来、652回以上の上演。日本においても海外においても、「夕鶴」ほど繰り返し上演されてきた日本オペラはないだろう。美しい旋律と巧みな構成は世界中で愛され、つうのアリアはコンサートでも頻繁に歌われている。
 團伊玖磨は、合唱曲や歌曲などのクラシックだけでなく幅広いジャンルの楽曲を残したが、西洋音楽を作曲する上でキリスト教的な価値観にとらわれずに日本人の心に入っていく音楽を書くということに尽力した作曲家であった。日本の音楽家がヨーロッパだけを見つめることに警鐘を鳴らし、自分の国の音楽を演奏することの重要性を説いた團伊玖磨の音楽には、自然への敬意と日本的な美しさが満ち溢れている。

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