オペラ・コミックとグランド・オペラ   オペラ名作217コラム 野崎正俊

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詳解 オペラ名作217 野崎正俊 より

コラム

オペラ・コミックとグランド・オペラ

 イタリアにオペラ・セリアとオペラ・ブッファがあるように、フランス・オペラにも大別してグランド・オペラとオペラ・コミックとがある。グランド・オペラがフランス人好みのバレエを伴う大規模なオペラであるのに対して、オペラ・コミックは歌と歌との間が台詞でつながれている。フランス・オペラ全盛期には両者の区分は厳密で、前者がパリ・オペラ座で上演されるのが原則で、後者はパリ・オペラ・コミック座で上演されるしきたりになっていた。
 オペラ・コミックであるビゼーの「カルメン」が1875年に初演された場所は、もちろんオペラ・コミック座である。半年後のウィーン初演に際してグランド・オペラ・スタイルに書き改められ、大成功を収めてからもずっとオペラ・コミックのレパートリーとして上演されていた。近年アンドレ・マルロー文化大臣の改革によって、ようやくパリ・オペラ座の舞台にかけられるようになった。

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