編集部伊藤の珍部黙示録 第3回大島海洋国際高等学校カッター部

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編集部伊藤の珍部黙示録 第3回大島海洋国際高等学校カッター部

こんにちは! 編集部の伊藤です。さてさて、大島シリーズ第2弾(第1弾の海国野球部はこちら→https://thebukatsu.wordpress.com/2016/03/16/大島海洋国際高等学校-野球部/)。 今回は大島国際海洋高等学校のカッター部です。あのタイタニックの脱出用にも使われたのがカッター! [caption id="attachment_465" align="alignnone" width="640"]80a8ad83 出典:http://blog.livedoor.jp/tttk5jp/archives/50682386.html[/caption] はい、上の画像。これはカッターですね。 This is cutter!! ……って違います!(笑) カッター部で使うカッターはこれ。 e382abe38383e382bfe383bc そう、船です! カッター部で使う”カッター”というのは船のことで、日本語では端艇と書きます。全長は約9メートル。これを12人で漕ぎます。 「カッターはもともと救命艇であり、あのタイタニック沈没事故の脱出時に実際に使われています」 え、まじですか!? タイタニックなら頭の悪い俺でも知ってますよ! そのときにも使われていたなんて驚きです。 「その操練を通して体力・精神力を鍛え、シーマンシップを養うための水産・海洋教育における重要な基礎訓練として位置づけられています。海国の海洋科の授業ではもちろん、水産・海洋に関わる高校・大学、海上保安学校、防衛大学校など、幅広く水産・海洋教育の現場で取り入れられています」 と顧問の西山先生。 実は西山先生は普段は数学の先生をしています。 全国のカッター部の顧問はほとんとが水産系の授業を担当しているのがほとんどだそうで、全国的にも西山先生のような人は珍しいそうです。 しかもこのカッター部、平成27年度は全国大会で準優勝しているという......。ちょっと凄すぎますね〜。 まあ、長い話もあれだし、早速乗ってみましょう! [caption id="attachment_470" align="alignnone" width="700"]dsc_5070 カッターに乗るときは靴を脱ぐ[/caption] あ、みんな靴脱いでる。 カッターに乗るときは靴を脱ぐのが伝統なんだそうです。海の神様に失礼のないようにですかね。そのぐらい船内は神聖な場とされているらしいです。 それにしても海きれいだ〜(笑) とりあえず出航! え、なにこれ。めっちゃ気持ちいい! かもめが鳴いてるぜ〜。 https://youtu.be/SLxiTeyc5Ms ああ、この部活絶対楽しいでしょ。 こんな天国みたいな部活、俺も入りて〜。 なんて思っていると大間違いです。

過酷な1000メートルのレース! それが競技としてのカッター!

このカッター、大会では1000メートルのタイムを競います。 「競技としては6分程を全力で漕ぎ続ける非常に過酷な競技です。筋力・持久力と合わせて、強い精神力が求められます」 ろ、6分ってやばくね? 6分間全力で体を動かすってめっちゃきついです。 さっきの動画はほんのウォーミングアップで、本当はこんな感じです。 https://youtu.be/QrEdxX9qGz8 なんか全然スピード違う! しかもみんなで声を掛け合って励ましあってて、めっちゃ熱くないですか? カッター! 「また、12人の漕ぎ手の他に、艇長が舵を取り、艇指揮が声を出して指揮を取ります。500メール地点での回頭は艇長・艇指揮の腕の見せ所となり、勝負の分かれ目です。このように14人全員が心を一つにし、完全燃焼できるすばらしい競技です」 その500メートル地点の回頭というのがこちら! https://youtu.be/pYLA1kNTCUc えー! 持ち上げてる! なんでこんなことをするかというと、できるだけ内側をターンしたいからだそうです。 しかもこのオール、約11キロもあって結構重いんです。しかも端(はじ)のほうを持たないといけないから余計に重い。 おいおい、なんだかすごいぞカッターって!

海国の艇長・艇指揮は女子が担う!

[caption id="attachment_1222" align="alignnone" width="4032"]IMG_2420 カッターに乗る女子部員のふたり。艇長と艇指揮を担う[/caption] もう動画の声でお気づきかと思うんですけど、この船、女子部員も乗っています。彼女たちが担うのは艇長(ていちょう)と艇指揮(ていしき)です。 さっきの西山先生のお話にもありましたが、艇長が舵を取り、艇指揮が声を出して指揮をとっています。 まず艇指揮ですね。 艇指揮は船のスピードを管理する係です。具体的には1分間にどのぐらいオールを漕ぐかということを管理します。 「1、2、ソー、キャッチ!」 って聞こえますよね? これは、1で漕ぐ、2で離水(オールを水から出す)、ソーで戻す、キャッチ!で着水(オールを水の中に入れる)、という意味になっています。ちなみにソーって聞こえるだけで、本当は3っているとのことでした。 https://youtu.be/TOCSNQKUzHM こんな感じでストップウォッチを使いながら正確に漕ぐ回数を図るんですね。ちなみにこのときは1分間に27回漕ぐペースでやっていました! 「自分の声一つでクルーをまとめて練習を進めていくのは大変で、喉も痛くなるけど、一日の練習が無事に終わった時にやりがいを感じます。それとレースでクルーと一緒に戦えるのが魅力です」 と艇指揮の部員さん。かなり声を張るので喉も痛くなってくるけど、それでも一緒に戦えることがやっぱりやりがいなんですね。 そして艇長。 艇長は船全体の管理をする係。漕ぎ手は前が見えないので、自分たちが進んでいる方向に何があるか見ることはできません。だからこそ艇長の役割は重要で、そして艇長を信頼することが強さの秘訣になってくるんだと思います。 あと、カッターにも舵(かじ)はついていて、それを操るのもの艇長の仕事。 [caption id="attachment_1379" align="alignnone" width="800"]IMG_1922 これが舵(かじ)。船の前ではなく後ろについている[/caption] この舵を操りながら部員の進行方向も操ります。コースの取り方など、勝敗に左右する部分が大きそうですね。 「クルーと共にレースで戦うため、回頭や操船の技術を磨くというやりがいがあります。でもそれ以上に、みんなの様子を見渡せるので、クルーにとって今何が大切なのかを考えてサポートしてあげられることが、難しいけど一番の魅力だと思います」 ちなみに今の艇長のお姉さんも2年前までこの海国で艇長をしていたそうです。彼女の目標はそのお姉さんを超えること。 実はさっきみせた回頭は各学校ごとで様々な方法があるそうなんですが、今海国で使用されているのは、2年前のお姉さんのやり方を改良したモデルなんだそうです。なんか受け継がれている感じが熱いですね! そしてそれを受けつぐだけではなく、超えていきたいというのが美しいです。

今年こそは全国優勝!

一番最初のほうにも書きましたが、このカッター部、昨年の第17回全国水産海洋高等学校カッターレース大会で準優勝をしています。大島海洋国際高等学校が開校してからちょうど10周年だったそうです。そして初の全国大会での入賞。 [caption id="attachment_1380" align="alignnone" width="800"]大島海洋国際高等学校 平成27年度は全国準優勝を遂げた大島海洋国際高等学校カッター部[/caption] 今年の狙いはもちろん全国優勝! 「僕たち大島海洋国際高校カッター部は本気で全国優勝を目指して頑張っています。昨年は準優勝という結果に終わりましたが、今年は必ず大島に優勝旗を持って帰りたいと思います」 と部長さんから意気込みをいただきました! ナンバーワンになるというのはどの分野でも大変なことだと思いますすが、そこにチャレンジできるということはとても恵まれていること。悲願の優勝にむかって頑張ってくださいね! 最後に部員のみなさんに海国カッター部についてコメントをいただきました。 https://youtu.be/J5-cbPUbp9E 家族!ということで、みなさん寮生活ということもあり、本当に一緒に生活している仲です。家族のようになるのも自然なことなのかもしれませんね。その団結力を活かして今年こそは優勝をつかみ取ってください! いかがでしたでしょうか? 恒例のまとめです! ① カッターとは船である! ② カッターの競技は14人で行い、精神力・体力両方を必要とする過酷な競技である! ③ 500メートルのターン地点での回頭という技がすごい! ④ やっぱり海は気持ちいい! ④はまとめに必要かというツッコミはなしでお願いします(笑) いやあ、大島まで来たかいがありました。 野球部と合わせてとってもいい部活動を2個取材できて楽しかったです! こういう部活動との出会いがあるからこそ取材は楽しいですね〜。 また、みなさんの周りの珍しい部活情報もお待ちしておりますので、何か情報がありましたらこちらまでご連絡ください! thebukatsu@chopin.co.jp 次回は、高校生たちが救命!? ライフセービングサークルです。それでは、次回もお楽しみに〜。 (取材・文◎伊藤文人)

大島海洋国際高校カッター部の詳しい情報はこちら

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