新技術により生み出される、心地よい音響空間

限られた空間でも楽器本来の響きを

「ナサール」は、ピアノメーカーとしての高い音響技術と加工技術を誇るカワイが展開する防音ルーム。大きく分けてユニットタイプとオーダータイプの2 種があり、どちらも遮音性能はもちろんのこと、美しい音を響かせる音響性能に秀でている。
　ユニットタイプは、サイズラインナップが豊富で、建物の柱を避ける柱変形加工が可能なカスタムタイプもある。部屋のスペースを無駄なく活用できるのはうれしい。
　一方のオーダータイプは、部屋を最大限に生かし自由に設計ができることが特徴。特に、ピアニストのための防音室「リフレクス」は、心地よい音響空間を実現した防音室だ。その秘密は、カワイが新開発した「音響拡散パネル」（特許出願中）にあるという。従来の防音室は部屋の狭さゆえ、音の反響で耳が疲れてしまうという問題があった。それを解消するために吸音で対応するわけだが、それだと今度は音が痩せてしまう。そういったピアニストたちの悩みをどうにか解決できないか、というカワイの技術者たちによる総力の結晶が、この「音響拡散パネル」なのだ。このパネルは上下で幅が異なるのが特徴で、幅の広い部分では中音域を、幅の狭い部分では高音域をそれぞれ拡散させる。製品開発中は、多数のピアニストたちから何度もヒアリングをし、試行錯誤を重ねたという。また、パネルは取り外しが可能な設計になっておりこれも試行錯誤の結果だ。はじめは壁に固定してしまう案もあったが、枚数や位置を変えて吸音、反射、拡散を自分好みに調整できるように、という案が採用されたそうだ。カワイ表参道をはじめとする各地の店舗では、「音響拡散パネル」のある部屋とない部屋で弾き比べをすることも可能。耳のいいピアニストだと、パネルをほんの数センチずらしただけの違いを聞き分けられてしまうというから、その高い性能は本物である。
　2018 年秋に行われた「リフレクス」の新製品発表会では、ピアニストの圓谷綾乃さんによる実演も行われ、参加者たちは実際の音響効果を体感した。まず耳や頭が一切疲れないことに感動した、と話す圓谷さん。圓谷さん自身も、従来の防音室に対して、跳ね返り音に疲れてしまうというイメージがあったそうだ。「リフレクス」なら、繊細な表現が求められる曲などもベストコンディションで練習できると高く評価している。
　楽器本来の響きを味わってほしい、狭い部屋でも諦めないでほしい、というピアノメーカーならではの想い。その音響効果は本物を追究するピアニストたちから称賛の声を受けている。


① カワイ表参道の防音室体験フロア。実際にピアノを弾いて効果を確かめたり、専門スタッフへの相談も可能




②パネルの色はライトグレー、グレー、ダークグレーの3 色展開。吊り下げたまま左右に動かすことができる





③「ナサール」オーダータイプの通常タイプは壁4面で吸音をする仕組み。長時間の練習でも耳が疲れにくいこと、どんな楽器にでも合う中庸な響きが特徴





④「リフレクス」の壁は2 面が吸音の役割を、もう2 面は「音響拡散パネル」によって反射の役割を成している。吸音と拡散の双方を行うことで低音から高音まで一音一音を明確にし、ピアノ演奏の醍醐味である“音の重なり”を美しいものにする




⑤「リフレクス」新製品発表会で演奏する圓谷綾乃さん。国内外で活躍する圓谷さんはマンハイマー・モルゲン紙（ドイツの新聞）において、“精密に使い分けられる音色とタッチ”との称賛を受けている。理想的な音響空間である「リフレクス」は、ピアニストたちにとって待望の製品だ




⑥国内屈指の規模と品揃えを誇るカワイ表参道。ピアノや防音室の展示のほか、楽譜売り場、コンサートサロン、音楽教室、レンタルスタジオを有する


お問合せ
施工会社 株式会社カワイ音響システム
静岡県浜松市東区篠ケ瀬町358
TEL 053-489-7601　0120-010-994　 URL https://www.kawai-os.co.jp/
製造・販売元 株式会社河合楽器製作所　静岡県浜松市中区寺島町200
ショールーム カワイ表参道
東京都渋谷区神宮前5-1　TEL 03-3409-2511
カワイ池袋ショップ
東京都豊島区南池袋2-10-6　TEL 03-3983-0950
カワイ音響システム 浜松展示場
静岡県浜松市東区篠ケ瀬町358　TEL 053-489-7601
カワイ梅田
大阪府大阪市北区梅田1-1-3　TEL 06-6345-8300

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