フロイデ! ベートーヴェン交響曲第九番〜歓喜の歌の発音とうたいかた〜 実践編  《第九》公演、札幌の場合  札幌合唱連盟理事長 瀬川良弘

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合唱指揮者からのワンポイントアドバイス

 

《第九》公演、札幌の場合     札幌合唱連盟理事長 瀬川良弘

 
 《第九》の演奏は、合唱未経験者にも呼びかけて合唱団を組織することが多い。札幌で私が昭和53年に指導したときは、主催—札幌音楽鑑賞協会(旧労音)、後援—札幌合唱連盟、オケ—日本フィル、指揮—渡辺暁雄で行われた。
 合唱団の人数約230名、そのうち約半数は音鑑会員から応募参加した。音鑑は3回目の《第九》なので、経験者もいるが、その7割は未経験者であった。しかし未経験でも、合唱経験がある者が大部分である。全体の残りの半数は連盟加盟の合唱団の有志であった。
 練習期間は長すぎると飽きるし、メンバーが入れ替わる。練習回数は多すぎると欠席が多く能率が上がらない。このときは、二段構えにして、8月から《第九》未経験者を対象として、週2回月・木で開始した。参加人数は約百名であった。中間指導のために10月末に渡辺氏来札までに、リズム・音程を正しく、ドイツ語で合わせて歌えることを到達目標とした。
 練習の第一段階は、各パート別に階名でもララでも良いからとにかくメロディーを覚えること。8月いっぱいは練習前半で男声と女声が別々にパート練習を行い、後半で両者が合わせることとした。
 ソプラノは普通の合唱にあまり出てこない高いイの音が出てくるので、そこでしりごみする。この音が出せるという自信がつくように高音の発声練習をおりこんだ。
 ドイツ語は、ふりがな付きの歌詞を配布した。メロディーが一応歌えるようになったところで、ドイツ語をつけた。ふりがなは良し悪しで、日本語式発音になりがちであるが、時間不足だからしかたない。毎回歌う前に曲と同じテンポ、リズムで歌詞を朗読して、アクセント・発音を直した。
 ほかに、各パートのメロディーをピアノで弾いたものをカセットに録音し、複製をつくって希望者に頒布して家庭自習に役立てた。声で入れられればなお良いが、適当な人がいないためできなかった。
 10月から《第九》経験者(主として合唱団員)が練習に参加した。10月末に渡辺氏来札、合唱を指揮して諸注意を与えた。この時点で合唱は、各パートが終わりまで一応歌えるようになっていた。
 残りの2週間は、指揮者の注意事項達成をめざした。13日渡辺氏による練習。14日は午後オケと合わせ、夜公演。演奏はもちろん暗譜。私もいっしょに歌った。
 練習回数約30回で、初めての人も歌ったわけである。《第九》は何度歌っても感激する。私は、昭和27年歌詞の意味もわからずに歌ったころから、回数を重ねて歌詞の意味がわかり、曲の細部がわかってくるにつれて、感激が深まるように思う。他のメンバーも、各人それぞれに感激を味わったと打ち上げ会で感想が述べられた。

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【音楽的フレーズごとにドイツ語の意味を理解しよう/関屋 晋次へ

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