好評企画!“食サポ”コラム 第3回:掘り下げることでみえるコト

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※このコラムは3分ほどで読むことが出来ます! "食サポ”=食生活サポートの略です。 「スポーツを通じて子どもたちの未来を変えたい!」 スポーツ指導者だけでなく選手、保護者を含めたあらゆるスポーツ関係者を 総合的にサポートする活動を続ける、 特定非営利活動法人スポーツ指導者支援協会の伊藤様の書下ろしです。。 今回のお話もなかなか奥が深いです。 じっくりお読みください。 では よろしくお願いいたします。

第3回:掘り下げることでみえるコト

こんにちは、伊藤です。 前回の「バランスを感じているか?」に続いて「バランス」を扱います。 「食生活バランス」に関連したよくある質問や悩みの中から ちょっと気になるものをご紹介します。

Case1:気になる質問 「いちご牛乳は飲んでも良いですか?」

女子高生A子選手からこんな質問を受けたことがあります。 私は、「いいと思うよ」と答えました。 そうしたらA子選手は、「わかりました!」と言い、 続けて「じゃあバナナ牛乳は飲んでも良いですか?」 と尋ねてきました・・・。 ん・・? なんだかおかしなやりとりですね。 何がおかしいのでしょう? もちろん、いちご牛乳がどうかについて気になっているわけではありません。 これは、「◯◯っていいですか?」という質問です。 つまり、「良いか悪いか」を尋ねており、 明確な答えも受けていますので、成り立っていますね。 しかし、また同じようなことを尋ねている、というなんとも不思議なやりとりです。 ※本当にあった話ですし、心当たりがある人もいるのでは?? さて、この不思議なやりとりの違和感を探ってみましょう。 心当たりのある人は、自分に問いかけてみて下さい。 まず、良いか悪いか(結論)だけを教えてもらったときに、疑問はわかないのですかね?? 「どうして良いんだろう??」とか、「なぜダメなんだろう?」とかです。 またまたサッカーの場面におきかえるとすると、例えばこのやりとりは 「右パスを出しても良いですか?」 と同じような質問です。 サッカーを経験されたことのある方ならピンとくると思いますが、 パスを出して良いかどうかは、その選手自身が「判断する」ことです。 このいちご牛乳のやりとりにおいては、判断された結論のみを確認しようとしています。 したがって、その結論にいたった理由はふれないので これでは、判断力は身につきませんね。 問われなかったのであえて理由を説明しなかった私も、少々意地悪でしたが(苦笑)、 こういう質問をよくしているかも・・と思ったあなたは、要注意です。 これがいわゆる、「わかったつもり」ですね。
 
・ 掘り下げることで見える真の悩み
では結局、A子選手はなにが聞きたかったのでしょうかね? 本当にいちご牛乳とバナナ牛乳について悩んでいたのでしょうかね? 実際のA子選手の真意はわかりませんが、 それ以降、同じような質問を受けたときは、 「どうして、そのことを聞きたいの?」と尋ねるようにしています。 そうすると、本当の悩みが明らかになることがあります。 よくあるのは、「体重を気にしていて・・・」とか 「背が伸びないので・・」とかです。 本当の悩みがわかると、より皆さんに合った方法や考え方を伝えることができます。 これを読んでくれた皆さんは、 今後「あれ、これってどうなんだろう?」と疑問に思ったとき、 あえて、「でもどうしてこれが気になったんだろう?」とか 「いまの自分にとって、この疑問はどう関係しているのかな?」とか 問いかけてみてみると良いと思います。 そこでわかった本当の悩みとともに質問を投げかければ、 よりすっきりした答えを手にすることができるかもしれません。

Case2:気になる悩み 好き嫌いをどうしたら直せるか・・

食事の問題で最も多いのは、やはり「好き嫌い」です。 これについても、よくある「嫌いなものも食べようね」と言うつもりはありません。 だからと言って、「嫌いなものは食べなくても良いよ」と言うつもりもありません。 Case1をふまえれば、その判断をするのは本人の問題です。 いくら言っても食べない人は食べないし、一方なにも言わなくとも食べる人は食べます。 だから、他人が判断した結果だけを伝えるのはどうなのかなと思っています。 でも、自分でなんとかすれば〜、などと突き放すような 冷たいことはしたくありません。 だって、困っている人は助けてあげたいですから。 肝心なことは、その助け方です。 ではどう助けるか。次のポイントです。 中高生の皆さんは、「助けられる側」として読んでもらえたら良いでしょう。
・ 嫌いな理由があるならば、解決は早い?
嫌いなものは、なぜ嫌いなのでしょう。なにかしら、理由がありませんかね? 苦いのが・・・、においが・・・、食感が・・・、見た目が・・・ といったところでしょうか。 もし具体的な理由がわかったのであれば、実はなんとかなります。 その嫌いの理由がなくなるような工夫をすればよいわけです。 苦いのがダメ→苦くないような味付けにすれば!? においがダメ→鼻をつまむなりしてにおわなければ!? こんな感じで嫌な理由がなくなれば、クリアーできるはずです。簡単ですね。笑 問題なのは、嫌いな理由は見つからない!とか、すべてがダメだ〜の場合です。 この場合は、どう対策を練れそうですかね。 前回同様、困ったときは「発想の転換」です。 もし◯◯を食べないとしたら、どうなるか。 食べた場合には得られるはずの何らかの効果が得られない。これは間違いありませんね。 ということは、ここでアイディアが浮かびませんか? そう、じゃあ◯◯とほぼ同じ効果が得られるものを食べれば代用できるのでは! そういうことです。 究極は、一つのものを食べなかったとしても、生きていくことはできます。 ただ、食べない、ということは選択肢を狭めることになっているとも言えますし、 「残す」ことにもなります。 これがどうなのかの話は、いろいろなところで言われていますので、 ここでは触れないこととします。 そして、現場で驚かされるのは、 「嫌いなものを食べてみたら、むしろ好きになっちゃった」というケースです。 まぁ食わず嫌いというやつなのですが、これが意外に多いんです。 好きになることに越したことはありませんが、理由がよく分かりません。 これも掘り下げてみないことには。笑。   特定非営利活動法人スポーツ指導者支援協会、伊藤様 ありがとうございました。 次回をどうぞお楽しみに! 82d911f73d711aa1572743625f103298.jpg
☆伊藤慧(いとうさとし)1982年生まれ、愛知県出身。 NPO法人スポーツ指導者支援協会プロジェクトマネージャー。小学3年からサッカーを始め、中1と高3のときに膝の半月板の手術を経験する。それがきっかけでスポーツ医学に興味をもち、筑波大学体育専門学群を経て、同大学院体育研究科スポーツ医学研究室を修了。その間、少年サッカーのコーチや高校サッカー部のトレーナーとして現場に携わる。その経験の中で、よりスポーツ界に広く携わりたいと思うようになり、NPO法人スポーツ指導者支援協会に就職。同時期(2007-2011年にかけて)、(公財)日本サッカー協会ロジカルコミュニケーションスキル講師を務め、選手育成や指導者養成に携わる。現在は、高校サッカー部の現場で経験したことを元に始めた「食生活サポート」事業を中心に、全国約40の小〜大学生のチームサポートやスタッフ養成に力を注いでいる。また、J1クラブの若手選手の研修も務める。 ・・・・・・・・・・・・ ★スポーツ指導者支援協会HP:パフォーマンスupにつながるDVDも紹介 http://www.sportif-support.net/ ★ちょっと変わった"食サポ”があなたのチームのチカラとなる 〜ふつうと違う!? 3つのポイント〜 1:「身体づくり」×「考え方を学ぶ」に目を向けた一石二鳥なプログラム 2:毎月ではなく、たまに(3-4ヶ月おき)取り組むからこそ無理なく「本気」で続けられる 3:全国レベルじゃなくても、分かりやすい結果が出る(100チーム・30,000人が証明) 詳細・お問い合わせは下記から http://www.sportif-support.net/service/lesson/lesson.html
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